整形をしたのに彼氏ができなかった話(後編)
※前編を見ていない方は前編を先に見ることをお勧めします。
そんなこんなで高校後半戦は超超暗黒時代を過ごしました。めちゃくちゃ病んでいたので、当たり前に友達も片手で数えられるような人数になり、受験勉強も上手くいきませんでした。
でも、絶望の底にいるような私を見兼ねた優しい母が私が昔から言っていた「二重にしたい」という願いを叶えてくれることになりました。
「夏ちゃんが今よりも前向きになってくれるなら整形してもいいよ」
母はそう言ってくれました。実はこの頃、全部上手くいかないのは私の顔が重い一重で可愛くないからだって思って一重ってバレないようにずーっと下を向いていました。(今思えば、中3のとき重い一重でも好きになってくれた素敵な人がいたのにね)そんな私を見るのが母は辛すぎたのだと思います。
最後の大学受験を終えた3日後、私は美容クリニックに行き、二重切開で重い一重から二重になりました。笑気麻酔が効いている手術中、麻酔の影響で万華鏡のような世界が視界いっぱいに見えている中で私は「この手術で生まれ変わるぞ!」って思いました。
結論、手術後考え方がかなり変わりました。自分に自信がなかったけど、すごく自分に自信を持てるようになったし、自分のことを全然可愛くないと思っていたけれど「二重にしただけで私、めちゃくちゃ可愛いじゃん!」と思えるようになりました。
整形後周りの私への扱いも変わったような気もしていました。当時の私は本気で「私の顔が可愛くなったからみんな私に優しくなったんだ!」って思っていました。(今思えば自分に自信を持って明るくなったからだと思います)あと、ナンパされるようにもなって(今思えばルンルンで歩いてたから話しかけやすいと思われただけだと思います)めちゃくちゃ調子に乗っていました。
自分の顔が大好きだから慶應には入れなかったこととか全部忘れていました。それはとっても良いことだと思うけど私は本当に天狗になっていたのです。
・大学の男子に私の顔を見てもらいたいから男子が近くにいる時はいつもより大きな声を出す
・彼氏いたことある&いる周りの友達たちに対して「別に賢くも顔が可愛くもないのになんで私よりも幸せなんだろう...ムカつく...!」と本気で思っていた
本当に最低だったと思います。しかも、この頃恋愛経験ナシコンプ、正確に言うと処女コンプを持ち始めさっさと処女じゃなくなってしまおうと思いTinderをいれます。
Tinderで出会った他大の同い年の男子とインスタのDMで話しているうちに「ヤっちゃう?」と言われてそんなこと始めて言われた私は大人の世界に踏み込めた気がしてシンプルに嬉しくて、「うん!」って答えてしまうのです。
でも、結論処女卒しませんでした。なんか直前に自分の中の理性が働いて「本当にこの人でいいのか...」と思い始めて、Tinderをすぐに消しました。今思えば本当にこの頃に処女卒しなくて良かったなって思っています。(性病とか妊娠怖いし)
あと、実はこの頃から薄っすらと自分が可愛くないかもしれないって思っていました。周りの子が大学の男子からDMやLINEがくるのに対し(この頃はまだ大1の春夏頃だったので学部内で男子がアプローチしまくってた)、私は一つもこなかったし、まだ彼氏もできていない。でもそんな気持ちにバンドエイドを貼るように「何かの間違いなんだ!」って思っていました。
バンドエイド貼るようにそう思い続けても秋が過ぎて冬がきて2年生になっても彼氏ができない。大学内やバイト先でカップルはいるのに、私には彼氏がずっといない。
「私より可愛くないじゃん...なんで彼氏いるの?」
「なんであの子たち一重なのに彼氏いるの?」
って本気で思っていました。僻み以外の何ものでもありません。
そんな感じでずっと過ごしていました。でも、そんな不穏オーラを私から出ているのを見兼ねた友達が「タップルやってみれば?」と言ってくれたのです。
「タップルはヤリモクあまりいないし、真剣な人ばっかりだよ!」という言葉を信じてタップルを入れて会いたい人を探す毎日になりました。
お気づきの方もいると思いますが、私は賢くて高学歴の人が好きだったのです。(私が彼氏ができない理由がこの考えがあったからだということにこの頃はまだ気づいていませんでした)
だから、大学名だけでlikeにするか否かを決めていました。そこで見つけたまあまあカッコ良さそうな人と会うことになりました。
これもまた思い出したくないので割愛しますが、この日を境に考えがものすごく良い方向に変わりました。結論、全然楽しくなくて寧ろすごく嫌な気持ちになったからです。
この日までは賢くて顔がイケメンだったら多少自分が酷くあしらわれても、相手の性格が悪くても好きになれる自信があったけれど、無理でした。私は今までの自分の考えが間違っていたのではないかと思えることができました。
しかも、その数週間後、「傲慢と善良」という小説を読んで私はやっと気づきました。
私は「善良」のフリをしていた「傲慢」な人間であることに。
地元ではお嬢様学校と呼ばれる女子校を卒業したからすごいし(他県ではどこそれ?ってなるレベルなのに)、整形したからそれなりに周りの子よりは可愛いと思っていました(そんなことない)。
整形をしたのに彼氏ができなかった理由は、自分を過大評価し過ぎて傲慢な態度を取っていたからです。
「私より可愛くない」と思っていた子たちは「私より可愛い」ことに気づきました。
「男子は全員、可愛い顔の子が好き!」と思っていたけれど、「可愛い顔の子が好き」な男子は勿論いるけど大半のまともな男子は「顔よりも性格を重視する」ということに気づきました。
賢くて顔がイケメンだからといって素敵な人ではないってことに気づきました。
今までずっと高望みしていたことに気づきました。
あと、実は私は中学生の頃からずーっと高学歴の男子に認めてもらいたいから(好きなタイプが高学歴で顔がイケメンな人だから)という理由で勉強をしていたとも言えました。だから、大学生になっても特に英語の勉強を頑張っていました。
でも色々気づいてから全部馬鹿らしくなって。自分の人生を誰かに委ねるために勉強するなんてアホか!って思って全てポイっと投げ出しました。そしたらすごく楽になって、なんか今まで抱えていた偏った思考が本当におもしろおかしく思えてきて...
「今までのことを文章で残しておもしろおかしく思い出話にしよう!」って思ってnoteに書くことにしました。
現在、いまだに彼氏できたことないし、勿論男子とまともなデートもハグもキスもしたことないし、当たり前に処女だけどなんかもういいや!自分の人生を生きてやる!って思っています。
この世の当たり前の考えに気づくまでに遠回りしちゃったけどまだ20歳だし、いくらでも取り返しがつくのでこれからは本当に自分の好きなことをしまくりたいです。
前編後編合わせてここまで読んでくださる方がもしいらっしゃったのなら(勿論後編だけを読んでくださった方も)感謝の気持ちでいっぱいです。拙い文章でしたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。