【KAWAII探訪】vol.3 兵庫県・淡路島*お線香編(後編)
日本でいちばんお線香を作っている淡路島を訪れた今回。明治26年創業の老舗「薫寿堂」の工場を見学させていただき、それまで知ることのなかった、お線香ができるまでのレポートをお届けしています。
「種」から「一本のお線香」へ
お線香の原料となる粉末状の炭と椨粉(タブコ)、香料や水を混ぜ合わせた「種」が、あの細長いお線香に変身する工程は、建物の1階にあるベルトコンベアが付いた機械で行われます。
種を機械の中に投入すると……
下からひも状の物体が出てきました。機械に装着されている型を通って、一本のお線香の姿に変わったのです。その様子は、まさに突かれて押し出された“ところてん”のよう!
こちらが装着されている型。細かい穴が等間隔で開いています。
ひも状になってカットされたお線香は、ダンボールに乗ってベルトコンベアに運ばれます。端のほうに注目してください。あれ?なんだかフニャっとしている……?
手に取らせてもらったら、やっぱりまだ柔らかい状態でした。力を入れると切れてしまいそうな気がして、やさしくそっと扱いたくなります。お線香のこんな姿に触れられるなんて、貴重な機会でなんだかうれしい……。
コンベアに移されてレールの上を移動していきます。向かう先に待っているのは……
乾燥させるための場所。積みあがっているダンボールの間には、まだ柔らかい状態のお線香が眠っています。しばらく休んで、目を覚ますころにはピンと固っているのだそう。
手をかざしてみると、風を感じました。乾燥させるために必要な風通し。それを効率的に行うために、ダンボールが使われていることに気がつきます。なるほど!
最後はやっぱり「人の手」
こうして、わたしたちがよく知っている姿になり、旅も終盤にさしかかったお線香ご一行。
ここまでは機械による部分がほとんどでしたが、最後に彼らをお迎えするのは、なんと「人の手」なのです。パッケージに箱詰めをする手前の段階で、目視で一本一本細かく検品をしていきます。
いにしえの異国にルーツを持つお線香。日本では特に、お線香は心身や場を清めたり故人の供養のためだったりと、人々の心のあり方においていろいろと重要な役割を担っています。
だからでしょうか、こうして丁寧に仕上げられていることを知ると、それはそれは、たいへんありがたく思えてくるのでした。
あたらしい「香」のかたち。
糸のお香を作りました
カワイイカンパニーでは薫寿堂と一緒にネオクラシックな糸のお香を作りました。
歴史ある「香」とともにある暮らしを、現代のスタイルにも楽しみながら取り入れられるように。そして、カワイイカンパニーらしい「カワイイ!」と心が弾むように。そんな想いを込めています。
糸状なのでラッピングリボンに使ったり、好きな長さにカットして燃焼時間を自在に調節したりと使い勝手のよさもポイント。
全6種類、柄と香りの異なるものが毎月届くので、少しずつ焚き合わせるなど自分らしいKAWAII香りの取り入れ方を見つけて、香りからパワーをもらってカワイク過ごしてほしいです。
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