心臓の音が聴こえにくい🩺
わたしの心臓は、正常に動いているはず、
だけど、聴診器をつたって、聴いてみると、聴こえにくいらしい。
よく、お医者さんが話すセリフは、
「もうちょっと、息吸って〜吐いて〜」だった。
何度も聞いたことのあるフレーズだ。
わざと、息を止めてるつもりもないし、
これといって、大きな傷もない。
「普通の人とは違う」、「不思議な感性の持ち主」とつぶやかれることはあっても、心臓の音まで違うと伝えられると、異常のレベルを超えてるかのように不安になる。
時々、呼吸のリズムに意識を向けてみることがある。意識すればするほど、この脳内がいつ、この呼吸について考えるのを忘れるんだろうって思う。いつのまにか、毎回忘れて、何分間、意識が傾いていたかも分からなくなる。
さっき、何か物を取りに行ったのに、何しに来たか分からなくなる現象に似てるような気がした。
自分の身に起きた不思議な目からの情報より、身近な自分自身の病の方がより恐ろしい感覚なのかもしれないと感じた。
心臓の音、聴こえないなら、聴くことができるまで試す。確認できるまで、
だけど、会話は、「伝わるまで」の場合と、「伝わらないならそこまで」って感じがする。
声や言葉、メッセージを届ける先は、いくつもの管を使う方法もあるように、様々だと思った。
実際に、
自分の心臓の音を自分で聴きたくなってきた。
医者になりたいと、クラスメイトの真似をして、自分の夢を隠していた、あの頃に買ってもらった聴診器を思い出した。
自分が自分に聴診器をつたって、聴こうとすると、心臓の音が聴こえた。「なんだ、聴こえるじゃん。」って、言葉が思い浮かんだ。やっぱり、自分のことは自分が1番知ってるのかもと浮かれてしまうのは、その後、数分もかからなかったよ。