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#052 意外と面白かった「紀州のドンファン」

事前情報一切なく「紀州のドンファン」というあだ名に興味を持ってBOOKOFFで見つけたこの自伝が、想像以上に面白かったのでシェアです。「紀州のドンファン」こと野崎幸助さんは現在亡くなっていますが、死してなお世間を騒がせている大富豪です。ニュースでもよくみます。

今回は手短に内容を紹介しますと、

まず、「紀州のドンファン」の生い立ちについて記載されています。いかにして大金持ちになったのか。詳しく読んでいくと、生い立ちも興味深いです。初めは大変貧しい7人兄弟の3人目というところからスタートします。1941年生まれなので、2024年現在もし生きていたら83歳ということになります。

貧しい少年時代を送ったのち、社会人になって酒造販売などを始めましたが面白くなかったため辞めます。その後コンドームの訪問販売で苦労しながらも小金持ちになります。コンドーム販売というのがなかなかユニークな職業ですが、この時代に足腰で稼ぐ不屈のメンタルを手にいれたのだと思われます。その元手を使って、「師匠」のアドバイスのもと金貸し(消費者金融)を営んだ結果、大金持ちになります。その後は株式などの投資で超大金持ちになった人物です。

もちろん「美女とセックスしたい」という欲求が強すぎるが故に数々の伝説を残しており、死後も週刊誌のネタになっていますが。とはいえ、正直なところわたしはこの本を読んで野崎さんの好感度は上がりました。大金持ちですが、文章を読む限りでは驕り高ぶった様子はなく、謙虚な印象を受けたからです。


見習うべき点①:ルーティーン



本の解説は別の記事に任せるとして、自分が感じた率直な意見だけをリストアップしていきます。

特に特筆すべきは、ルーティーンだと思いました。ドン・ファンは、午前3時に起床して米国株式市場を確認してから事務所に赴き、12時には仕事を終えて歓楽街に行くようです。このルーティーンに野崎さんの全てが詰まっているように感じました。ダラダラ仕事をしない。そしてちゃんと遊ぶ。もちろん朝が早いというのもありますが、午前中だけで仕事を終えてわくわくな午後を送っている様子が素晴らしいなと思いました。


見習うべき点②:発想の天才


この書籍で一番笑ってしまったのが、彼の名刺の話でした。詳しくは書籍を読んでいただきたいのですが、野崎さんがキャビンアテンダントの女性と仲良くなるために取ったアイデアはなかなかすごい発明だと思いました。野崎さんのアイデアの柔軟性がすごいというよりは、「結果への執着」および「コスト意識」が両立した点だと思います。

普通の人は、キャビンアテンダントと仲良くなりたいというところまでは考えたことがあると思います。しかし、機内で仲良くなるのは至難の業です。名刺を渡すところまでいったとしても、CAさんからするとまともに連絡を返すことはないでしょう。

ここで、普通の人は諦めます。笑

しかし、野崎さんが取った行動は、ちゃんとキャビンアテンダントさんからの電話という形で身を結びます。後日ランチすることにもせいこうしています。

彼がすごいのは、「女性1人とデートするにあたっていくらまで出すことができるか」という異常とも言える金銭感覚です。ここまで割り切って金銭と女性を結びつける男性も珍しいように感じました。しかし、だからこそこの作戦が成功したように思います。もちろん独身で遊び慣れた人でないと実行すら怪しいところです。


見習うべき点③:謙虚さ


野崎さんは、家に100万円の札束がいくつも転がっていたのだそうです。取材に来た記者たちが驚くほどでした。きっと彼にとって100万円の束は日常の感覚だったのかもしれません。長らく金貸業をやっていたので、お札を数えたり渡したり返してもらったりする経験が長く、特段100万円の束を見ても平常心だったに違いありません。

そんな大金持ちの野崎さんに対して意外だったのは、大金持ちを感じさせない謙虚な文章でした。

普通そんな大金持ちになったら、「ワタシはこう稼いだ!ドヤ!」という文章になりがちで、読んでいても面白くない文章が多いですが、野崎さんの文章は謙虚さに溢れていて結局最後まで読んでしまいました。

容姿に自信がなかった点や、身長が低かったところなどを面白おかしく書いていたことや、女性に関しての失敗談も包み隠さず書いていて、笑ってしまいます。男性にも女性にもウケるのは、自慢話ではなく失敗談ということをもしかしたら歓楽街で学ぶことができるのかもしれません。



まとめ


紀州のドンファン、主に男性向けですが、非常にコミカルな本ですので気になった方は軽く読んでいただくと良いかもしれません。この本を読むと、彼の死は本人の意思ではないのではないかと感じます。ビジネス的な観点における彼の類まれなる習慣術や考え方(⚠️歓楽的な考え方ではないことに注意)は、学んでいきたいところですね。


おしまい!



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