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悪でしか救われない弱者もいる

吉永嘉明氏の消息がふと気になって、インターネットの海を探るも過去の情報しか得られないのだ。

19歳から「別冊宝島」(のちの宝島社であるJICC出版局)を集め始めて早5年の月日が経とうとしている。

90年代に多く騙られた「鬼畜系・悪趣味系」の草分け的存在となるライターさんたちに興味を持ったことがきっかけだ。

別冊宝島は毎号毎号、アウトローから時事的な企画をタイトルとした面白すぎる雑誌である。

「死体の本」、とか「隣のサイコさん」とかもうタイトルから惹かれてしまうものを片っ端から買って読み進めていたら本棚が邪悪なオーラを醸し始めた。

初代電波系(ネットに強い)美少女アイドルの千葉麗子氏の記事を読んであまりの怖さに眠れなくなったこともある。

幼い頃からたくさんの本に触れてきて、もう美しい景色や一般的に役立ちそうな知識に飽き飽きして突然その道を進んでいったのかもしれない。

しかし、『怖くなった』といった陳腐な理由で、高校生時分にベッドの下から出てきた南条あや著「卒業式まで死にません」と山野一著「四丁目の夕日」を手放した脆弱なメンタルを持っている。

いや、小学生の頃、自室にあった澁澤龍彦の雑誌を見て感銘を受けたのでそのケはあったのかもしれない。

メインカルチャーを好むか、サブカルチャーを好むのかは人は選ぶことができない。

身をもって痛感する。

話はタイトルに戻って、私はこの「別冊宝島」に幾度となく救われている。

アイドルグループに入りたての頃、レッスンに緊張して、自分ごと見失いそうで怖くて怖くて別冊宝島をリュックに2冊ほど常に入れていた。

私にとって、アウトローな文章は救済であったのです。

ドラッグ、OD、入院、精神世界、精神病….

世間話としてはタブーとされている話題が富んでいることに安心した。

幼い頃から「変わっている」、「プライドがない」、「狂気」、「不謹慎」などとたくさん悲しい言葉を受けてきた私の拠り所でした。

20歳そこそこでアル中になってしまい、

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