
住みたいショッピングモール ランキング【創刊号】
大型ショッピングモールのある景観がすっかりお馴染みになった。
00年代に入って日本全国津々浦々に建立され、今では老若男女の憩いの場となっている。
生活に必要不可欠なインフラといわなければならない存在だ。
そんな大型ショッピングモールだが、
「その街全体を規定する」といってもよい影響力を有す。
「我々が建物を作る、然る後、建物が我々を規定する」といったのは大英帝国宰相チャーチルだが、まさに大型ショッピングモールは我々の街そのものを規定するのだ。
つまりそのショッピングモールは街の写し鏡であり、逆もまた然りで、その街はショッピングモールの写し鏡となる。
だから、大型ショッピングモールに行けばその街の群像たちとすれ違い、その街の解像度がグッと上がっていく。
したがって、「住みたい街」と「行きたいショッピングモール」には強い相関関係がある。
ここ10年でお馴染みとなった「住みたい街ランキング」と「行きたいショッピングモールランキング」は親和性が高いのだ。
行きたいショッピングモールが見えれば、自ずと住みたい街が見えてくる。
住みたい街を知りたくば、まず行きたいショッピングモールを知れ。
いや、それはもはや「住みたいショッピングモール」に違いない。
ということで、
今回は「住みたいショッピングモール」を紹介していこう。
4位 西宮ガーデンズ

まずは定番。
大型ショッピングモールを語る上で外せないのが「西宮ガーデンズ」だ。
兵庫県西宮市に2008年からたたずむ超大型のショッピングモール。
阪急電車・阪急神戸線・西宮北口駅から徒歩3分だ。
西宮ガーデンズが高い評価を得ているのには理由がある。
それは「駅とショッピングモールが完全に一体化されている」ということ。
西宮北口駅を出たら動線が西宮ガーデンズに行くように出来ている。
それにあらがおう抗おうとしても、魔性の力で西宮北口に吸い込まれてしまうのだ。
今では「駅とショッピングモールが一体化」している景観は全国的に珍しくなくなった。
だが西宮ガーデンズが落成した2008年当時にあってそれは唯一無二の完成度を誇っており、今ですら西宮ガーデンズに勝る「駅とモールの一体感」を醸し出せている挑戦者はまずもって存在しない。
これが西宮北口を4位にもってきた理由である。
ただし、
最後にあえて苦言を呈させて貰うと、
「なんでも鬼高」
3位 あまがさきキューズモール

続いては兵庫県尼崎市の中枢にある「あまがさきキューズモール」だ。
JR尼崎駅徒歩1.5分のスーパー立地に2009年から軒を構えるショッピングモール。
先ほど「住みたい街ランキング」と「行きたいショッピングモール」が強い相関関係にあるとお話しした。
この尼崎界隈はまさにこの強い相関関係に該当するピッタリ事例だ。
2009年に「あまがさきキューズモール」が落成し、それと同時にJR尼崎駅は「住みたい街ランキング」でメキメキと頭角を現していった。
それまでJR尼崎には「住むのではなく、工場の街」というイメージが強かったため、ランキング圏外の見えない存在だった。
だが、
あまがさきキューズモール目当てで人が集まり、JR尼崎駅の「住む魅力」が「発見」されたのだ。
今ではJR尼崎駅は「住みたい街ランキング」でも上位をうかがう常連駅となっている。
このように大型ショッピングモールには街を一変させる大きな力があるのだ。
あまがさきキューズモールは街を一変させた功労者ショッピングモール。
その功績を評価して3位にランクインだ。
2位 イオンモール伊丹昆陽
ダークホースが2位に飛び込んできた。
「イオンモール伊丹昆陽」は知る人ぞ知る名門ショッピングモールだ。
兵庫県伊丹市の郊外部、
県道尼宝線沿いに大型ショッピングモールが2011年にやってきた。
イオンモール伊丹昆陽が降臨した池尻町界隈はかねてより最寄り駅に不自由しており、最低でも徒歩30分はかかる陸の孤島だ。
だがこのイオンモール伊丹昆陽ができてからというもの、人々の生活が池尻界隈で完結するようになった。
それだけでなく、近隣・遠方を問わず多くの人々がやってくるようになり、池尻界隈は見違えるほど賑やかになっている。
この「イオンモール伊丹昆陽&池尻界隈連合」の事例は、
「行きたいショッピングモール&住みたい街ランキング相関」とは少し違うが、
「町興し」に成功した事例として注目を集めている。
とはいったものの、最近少し客足が遠のいているように見受けられるので、なんらかのカンフル剤が必要かも知れない。
ちなみにイオンモール伊丹昆陽と接する「県道尼宝線」は「日本最古の有料道路」だと云われており、それらを勘案しながら訪れてみると感慨もひとしおとなるのではないだろうか。
またイオンモール伊丹昆陽は近隣の飲食店とも相互互恵の関係を見事なまでに構築しており、忌み嫌われがちな大型ショッピングモールにとっての処方箋となるのではないか。
郊外型ショッピングモールの町興しという功績から、イオンモール伊丹昆陽が2位にランクインした。
1位 つかしん
真打ち登場。
まさか「つかしん」を外して大型ショッピングモール論をさえずっている御仁はいまい。
大型ショッピングモール界隈の落合博満。
「つかしん」が満を持して登場だ。
1985年に兵庫県尼崎市最北端の塚口本町に降臨した「つかしん」。
あまりに早すぎた降臨であり…
早過ぎたパイオニア
日本最古の大型ショッピングモール
堤清二の最高失敗作
ガラパゴスショッピングモール
大型ショッピングモールのメッカ
奇跡のショッピングモール
地元民御用達
ショッピングモールの矢吹丈
令和の妖怪
その二つ名は数え切れないほどだ。
だがツッコミどころだって数え切れない。
・
・
他の凡百凡千凡万凡億のショッピングモールにはない、愉快な仲間たちが首を長くして待っている。
最近の千篇一律な大型ショッピングモールに飽き飽きしたらば、
「つかしん」に聖地巡礼しなければならない。