大谷翔平//地上の第三宇宙速度
第三宇宙速度とは大谷翔平である。
「第一宇宙速度」「第二宇宙速度」「第三宇宙速度」
これは是非とも是が非でも覚えてもらいたフレーズだ。
「段違いなもの」をさらに段階的に表現できるレアでメタな言い回しである。
とくに若い人にお勧めしたいマジックフレーズである。
何故かといえば高齢化が大進行する中で、
増え続ける「ジイさん達」の知性水準を見抜くのにうってつけだからだ。
若者からすれば「ジイさん達」は皆おなじにうつる。
往々にしてトロいしダルい。
だがジイさんの中にも切れるヤツはいる。
信じられないかもしれないが、あんなトロい上司たちの中にも切れるヤツはいるんだぜ。
そんな切れるジイさん達とは話していて得るものがある。
のっけから関係を切るにはあまりに勿体が無いセグメントだ。
だから切れ者ジイさんを見抜く何かが欲しい。
そこで「第一宇宙速度」なのだ。
何故切れるジイさん達が「第一宇宙速度」に反応するかといえば、それはアニメをわんさか見過ぎた世代だからだ。
宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダム・・・
ここらの宇宙系アニメをお茶の間にあった小さいブラウン管でそれこそ穴が開くほど鑑賞した世代だ。
「ピキーン」「認めたくないものだな若さゆえの過ちというものは…」「寒い時代だと…思わんか?」「坊やだからさ…」「ララァは賢いな」「悲しいけど、コレ戦争なのよね…」「あえて言おう!カスであると!」「たかがメインカメラをやられただけだ」「これが若さか…」「私はかつてシャア・アズナブルと呼ばれた男だ」
「まだだ!まだ終わらんよ!」
ジイさん達はブラウン管を通してこうしたフレーズをこれでもかと刷り込まれてしまった。
だからといってこれをそのまま覚えて社長の腰巾着になるのは得策ではない。
「その背景」を聞かれた時に困窮してしまうからだ。
では、どうすればいいのか?
「その背景」の「その背景」を知っておけばいいのだ。
いわゆるメタ背景認知である。
ヤマトもガンダムも宇宙を舞台にしたアニメであり、宇宙開発華やかなりし時代の産物だ。
ジイさん達はヤマトやガンダムを端緒として宇宙とは何なのかに思いを巡らせた世代であり、少なからず宇宙に興味関心がある。
だから「第一宇宙速度」なのだ。
岡田斗司夫さんという物書きがいる。
この岡田斗司夫さんはこのジイさん世代ど真ん中にあたり大のアニメ好きで知られているが、「第一宇宙速度」をことあるごとに持ち出してメタファに用いる。
そんな岡田斗司夫の知性はジイさん世代の中でひときわ際立っている。
だから、
だからこそ、
若者の方から「第一宇宙速度」を切り出せば、役員連中の懐に潜り込めること請け合いなのだ。
前置きが第二宇宙速度ぐらいのスケールになってしまったので、そろそろ本題に入ることとしよう。
第一宇宙速度〜日本プロ野球の選手達〜
第一宇宙速度とはズバリ人工衛星のスピードだ。
地球の重力に負けない力がコミコミになった衛星スピードのことだ。
人工衛星は地球をゆっくりと回っているように思える。
だがよくよく考えてみれば、
人工衛星は地球に落ちながら地球から逃げている。
逃げる
人工衛星○ →
↓落ちる
○地球
この二つの力がバランスするから人工衛星は地球に落下しないし、地球から逃亡することもない。
もしこの人工衛星のスピードが落ちると、逃げる力が弱くなりすぎて地球に落ちてしまう。
もしこの人工衛星のスピードが上がると、逃げる力が強くなりすぎて地球から逃亡してしまう。
つまり、
第一宇宙速度とは人工衛星が地球に落ちもしなければ逃げもしない絶妙な均衡スピードのことを言うのだ。
第二宇宙速度〜海を渡った日本人選手〜
では第二宇宙速度とは何だろうか?
第二宇宙速度とは、先ほど出てきた地球から逃亡してしまえるスピードのことを言う。
逃げる
人工衛星○ → →
↓落ちる
○地球
人工衛星の逃げる力が強くなれば、地球に落ちる力を振り切って地球圏から離脱出来る。
シャア・アズナブル曰く「白い木馬が、スイングバイする前に叩くのだ!!!!」のスイングバイである。
第二宇宙速度まで加速すれば、地球の重力から逃亡できるだけの力が備わり、地球からおさらば出来るのだ。
こうして第二宇宙速度にまで加速すれば地球圏をヒャッホーして宇宙に行けると思ったらば、大間違いだ。
それでは社長の腰巾着すらままならない。
第三宇宙速度〜大谷翔平〜
第二宇宙速度をあと少しだけ深く考えてみよう。
地球の呪縛をふりほどくスピードを手に入れ、
地球から逃亡したらば何かが待っていないだろうか?
そう、
太陽である。
太陽は地球より桁外れにデカいので引力も桁外れにデカい。
地球から第二宇宙速度で逃亡しても、程なくして太陽の引力につかまってしまうのだ。
逃げる
人工衛星○ → →
↓落ちる
○地球
第二宇宙速度↓↓↓離脱後
逃げる
人工衛星○ →
↓落ちる
○太陽
手抜きではない。
これは佐藤優の著書でお馴染みの「二重入れ子構造」と言うのだ。
第二宇宙速度では地球には打ち勝てても太陽には競り負ける。
太陽圏からの脱却は覚束ないのだ。
これは日本プロ野球では活躍できたが、メジャーリーグに行ったら冴えない選手によく似ている。
だがメジャーリーグに行っても冴えに冴え渡っている選手がいる。
それが大谷翔平だ。
逃げる
人工衛星○ →→→
↓落ちる
○太陽
「太陽に落ちる力」と「太陽から逃げる力」がバランスしてしまうから、太陽圏につかまって太陽を軸に回ってしまうのだ。
だから太陽から逃げる力を速くしていけば、やがて逃げる力が落ちる力を振り切って太陽から離脱できる。
シャア・アズナブル曰く「白い木馬が、スイングバイする前に叩くのだ!!!!」のスイングバイである。
メジャーリーグでも一人だけメジャー規格から離脱した活躍を見せる大谷翔平は第三宇宙速度の存在だといえる。
第一宇宙速度、第二宇宙速度、第三宇宙速度
では、まとめに入ろう。
第一宇宙速度とは地上では十分速いけれど地球からは離脱できないスピードだ。
第二宇宙速度とは地球から離脱できるが太陽からは離脱できないスピードだ。
第三宇宙速度とは太陽すらも振り切って離脱できるスピードだ。
これは一般人から見ればくまなく超人に思えるプロ野球選手のヒエラルキー構造によく似ている。
第一宇宙速度とは日本国内では上手いのだが海を渡れない日本人選手。
第二宇宙速度とは海を渡れたがメジャーで埋没してしまっている日本人選手。
第三宇宙速度とはメジャーでも一頭地を抜く活躍を見せる大谷翔平。
このように「段違いなもの」の「三重入れ子構造」で例えることが出来るだろう。
第一宇宙速度 日本プロ野球の選手
第二宇宙速度 メジャーリーグの選手
第三宇宙速度 メジャーリーグの規格外
平社員、中間管理職、役員
第一宇宙速度、第二宇宙速度、第三宇宙速度、、
この表現がヤマト・ガンダム世代のインテリ系ジイさんにウケることはすでに述べた。
若者達にジイさん達の知性水準を見抜く用途で使って欲しいフレーズだということも述べた。
いみじくも現下日本において、役員クラスがあまねくヤマト・ガンダム世代で占められようとしている。
だから、
だからこそ、
平社員から中間管理職という立場で世の中を支えている若者たちには、第一宇宙速度、第二宇宙速度、第三宇宙速度という言い回しとそのメカニズムを理解した上でさらなる高みを目指して欲しい。
第三宇宙速度での離脱はあまりお勧めできないが。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?