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個人情報商品化の時代 21世紀とその叡智

かたや1900年代は労働力商品化の時代であった。
かたや2000年代は個人情報商品化の時代である。

稼ぎ方革命 「働く」から「繋ぐ」へ

 年代   稼ぎ方   売却商品
1900年代  働く         労働力
2000年代  繋ぐ   個人情報 

1900年代から2000年代にかけて 稼ぎ方の変遷

1900年代の稼ぎ方の主流は「働くこと」だった。
会社に行って額に汗して給料を得る。
そうやってカネを稼ぐのが主流だった。
この1900年代の「働く」という行為は、「労働力を商品化して売る」と言い換えられる。
働いて、労働力商品を売って、カネを得る。
|労働力を商品にして売却し《働いて》カネを稼ぐ。
これが1900年代の人々が日銭を稼ぐほぼ唯一の方法論だった。

だが、2000年代の声が聞こえ始めた1995年から新しい稼ぎ方が現れた。
それが「繋ぐ」だ。
1995年に市井へと解放されたインターネットに繋ぎ、自分の個人情報頭の中を売ってそれをカネに変える手法が登場した。
インターネットに繋いで、個人情報商品を売って、カネを得る。
|個人情報を商品にして売却し《ネットに繋いで》カネを稼ぐ。
これが2000年代の人々が日銭を得る新たな方法論となっている。

    各種サービス 
      ←
IT利用者       IT企業
      →
    個人情報商品

ネットに繋ぎ個人情報商品を売却することによって、各種サービスを廉価で利用できている

インターネットで各種サービスを廉価で利用できる仕組み



今、まさに読者の個人情報が商品化

 年代   稼ぎ方     売却商品
1900年代  働く            労働力
2000年代 ネットに繋ぐ 個人情報 

1900年代から2000年代にかけての稼ぎ方ならびに主力売却商品の変遷

「インターネットに繋いで、
 個人情報を商品化して売却している」
と言われても、ピンとくる人は少ないはずだ。

だが、我々は日常茶飯で個人情報を商品化して売却している。
例えば、
今、読者はインターネットに繋いでこの記事を食い入るように読んでくれているはずだ。
となると、読者が「どこにいるのか」がIT企業に筒抜けになっている。
つまり、まさに今この時、読者が「どこにいるか」という個人情報が商品化されているのだ。

ここでは「個人情報を売却した覚えはない」と食い下がってくる読者もいることだろう。
確かに正式な売買契約は結んでいないだろうが、読者の個人情報がIT企業セグメントに吸収されているのは間違いないだろう。
まさか「我々は個人情報を知らず知らずのうちに搾取されている」と書く訳にはいかない。

ワタシの立場をわかって欲しい。

我々はあくまでも個人情報を商品として売却しているのだ。

 読者   →        本記事 
 ネットに繋いで読んでいる

     ⇩⇩⇩

読者が「どこにいるか」「何をやっているか」
といった個人情報がIT企業からは丸見えとなる

今、起こっている、読者の個人情報商品化・売却


極論すれば、
インターネットに「繋ぐ」だけで、読者の個人情報は商品化されているのだ。


検索エンジンによる個人情報商品化

「誰が」
「○○にいて」
「スマホにて」
「この記事を読んでいる」


本記事をインターネット上で読むだけでも、これだけの個人情報が商品化されている。
そして個人情報の商品化は、インターネットがあればこそなのだ。
インターネットは1995年から普及し始めた。
だから1995年から個人情報の商品化は開始されていた訳だ。

ここでもう一つ、個人情報商品化の例を挙げておこう。

今ではもはや生活の一部となっている「検索エンジン」。
検索エンジンは1995年まで存在しなかった。
インターネットの登場と同時に検索エンジンも産声をあげる。

検索エンジンは言葉の意味を知ることができるサービスである。
従来は、有料の辞書によって言葉の意味を調べていた。
だが検索エンジンで言葉の意味を調べると、表向き無料で調べられる。

では、
それまで辞書に払っていた1,000円ばかしはどこに消えてしまったのだろうか?

実はこの謎を解くカギも個人情報の商品化にある。

辞書と検索エンジンの比較

従来 
   1000円で購入
 読者  →   辞書
     ←
   言葉の意味 (1000円)

現在

「何を知らないのか?」という個人情報売却 
   (1000円分の対価)
 読者   →          検索エンジン
      ←
    言葉の意味

検索エンジンにおいて個人情報が商品化売却される仕組み 

読者は表向きにおいて、無料で検索エンジンを利用している。
だが、実際には「何を知らないのか?」といった個人情報頭の中をIT企業に譲渡している。
つまり、
読者は個人情報商品頭の中を売却して、その対価として検索エンジンから言葉の意味を獲得しているのだ。

  何を知らないのか?
読者   →         検索エンジン


   言葉の意味

読者は検索エンジンを利用するとき、
「何を知らないのか?」を売って、同時にかつ等価にて「言葉の意味」を買っているのだ。
「何を知らないのか?」はまさに頭の中であり、個人情報でも真ん中にあるもの。
検索エンジンによって、IT企業は利用者の頭の真ん中個人情報ど真ん中を知ることが可能になったのだ。



個人情報商品化の背景

個人情報が商品化される仕組みはわかってもらえただろう。
1995年からインターネットが実用化され、インターネットは利用者の個人情報頭の中を商品化することを可能にした。

では次に、
個人情報の商品化が起こった背景を解説していこう。
実は我々が生きる日本は、この背景を説明するのにうってつけの国なのだ。


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