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マイノリティ憑依のゆくえ/「最大少数による専制」

マイノリティ憑依ひょういという言葉がある。
少数派に取り憑いて名声や視聴率や部数を稼ぐ行為だ。

例えば、慢性疲労症候群患者への憑依。
いまだ謎の多い慢性疲労症候群という症例の患者さんに取り憑き、番組をつくりテレビ局が視聴率を稼ぐ。
治療法などを紹介する番組構成だ。
だが慢性疲労症候群は様々な症状のキメラであるから、銀の弾丸のような決定的な治療法があるはずもない。
しかし藁にも縋りたい患者達はその治療法に縋り、僅かに残った財力と貴重な時と最後の体力を使い果たす。
その一方で、テレビ局は稼ぎ、慢性疲労症候群に対する誤解が世間に広まる。
少数派たる患者が力を使い果たし、テレビというメディアが稼いだのだ。

例えば、LGBTへの憑依。

性的少数者に対する世間の逡巡を「差別」だと拡大解釈し、LGBTとの距離感をいきなりゼロにするべく圧力をかける。
これまでホモだのなんだのと差別して、自分達メディアが作り上げた世間一般とLGBTとの溝を力づくで引っ付けようとする。
ものには順序というものがあるのに、0か1かでしか解釈をしようとしない。
結果、LGBTと世間一般の距離は表層上でしか縮まらない。
少数派たるLGBTが損をして、新聞メディアが部数を伸ばしたのだ。

このようにメディアは少数派に取り憑いてマイノリティ憑依で、自分達の稼ぎを増すのが十八番だ。
そしてその裏では少数派がますます不利な立場に陥っている。

メディア功成りてマイノリティ枯るだ。

なぜ少数派に取り付くのか?

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