HOLIWIL UML-046JR 製品レビュー
これは凄い。
ネットとリアルでは大違いとはいったものだが、
リアルの方がネット画像より格好いいなんて初めてだ。
あえてコミカルで冴えない画像をネットに掲載して、リアルとの差異でびびらせる。
そんな販売戦術は初耳だ。
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中国のダイソン HOLIWIL
HOLIWIL UML-046JRタワーファンは、
扇風機・ファンヒーター・空気清浄を1台でこなせる万能ファンだ。
「羽のない扇風機」といった方が通りが良いだろう。
イギリスメーカーのダイソンが十八番としている製品ジャンルだ。
しかし、
この製品にも中国企業が追随してきた。
その尖兵がHOLIWIL UML-046JRなのだ。
今日はダイソンと比較しながら、HOLIWIL UML-046JRの製品レビューをおおくりしよう。
ビジュアル比較 ダイソンに一日の長
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こうして並べてみると、
やはりダイソンの方が見栄えが良い。
腰のシェイプがよく効いていて、洗練された雰囲気を醸し出している。
他方、
HOLIWILは寸胴なオバQのような見てくれで、少し垢抜けない。
価格比較 HOLIWIL圧勝
性能スペックが似通ったグレードで比較すると、
ダイソンが、、55,000円
HOLIWILが、17,000円
価格では、もはやダイソンは太刀打ちしようがない。
冗長性をとり除いたHOLIWIL
この万能ファンには、両者とも首振り機能が付いている。
だが、首振り角度に大きな差異が見られるのだ。
ダイソン製品は首が一回転して、室内全体に風を行き渡らせることが可能だ。
他方、
HOLIWIL製品は首の可動領域が100度に限られている。
だが、筆者が1週間程度使ってみた感想として、
可動領域は100度あれば必要十分以上だ。
100度あれば、十分に風を室内に行き渡らせることができる。
360度の可動領域があっても、それは多くの人にとって宝の持ち腐れとなる。
顧客の声に真摯に耳を傾けていたら、こんな冗長すぎる機能を標準装備にはしなかっただろうに…
だいいち、360度で首を回していたら、自分のところに風が来るのを首をながく伸ばして待たねばならないではないか。
扇風機の風量調整も、両者に差異が見られる。
ダイソンが10段階で調整できるのに対し、
HOLIWIL は8段階でしか調整できない。
だが、はっきりいって10段階も調整レベルは必要ない。
調整レベルより大切なのは、なんといっても最高風量だ。
その点では両者が拮抗しており、甲乙付けががたい。
このように見てみると、
HOLIWILは実用に必要な機能だけを抽出し、
ダイソンはオーバースペックな機能までをつけてしまっている。
使わない機能が付いていても消費者にとって迷惑なだけだ。
ここは、
ダイソンを徹底して研究し、冗長な部分を徹底的に削ぎ落としたHOLIWILが一本取っている。
説明書&アフターサービス 拮抗!?
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この「説明書&アフターサービス」が筆者の最も驚いたところ。
中国製品といえば、売ったら「後はほったらかし」のイメージがあった。
だが、このHOLIWILの万能ファンはそのイメージを覆した。
「カッ」の音が聞こえ…
といった具合にオノマトペを多用して、分かり易く伝えようという意気込みがヒシヒシと伝わってくる。
フィルターの交換についても、手取り足取り教えてくれている。
(ただし交換フィルターがどこで売っているのかは、不明ではあるが…)
ダイソンの取扱説明書も一通り目を通してみたが、HOLIWILの方に軍配を上げる人が多いだろう。
アフターサービスは実際に受けてみないとわからない部分が多い。
だから、ここでは明確な評価は控えるが、
「取扱い説明書」だけなら、HOLIWILの方が奢りがなく分かり易い。
総合評価 「HOLIWIL爆勝」
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やはりトリプルスコアになっている価格がデカすぎる。
それ以外の点で、ほぼ拮抗している以上、価格が安い方を選ぶことになるだろう。
ということは、1/3の価格で入手可能なHOLIWILに軍配はアッサリ上がる。
奢りすぎたアングロサクソン
スマートウォッチの分野において顕著だが、
もはや中華製品の方が総合面で遥か上にいっている。
特にアメリカ企業は、国家によって守られて、
競争の原理にさらされることなく頂点に押し上げられてきた。
だから、いざ中国企業と真正面から競えと言われても、競い方すらわからない。
結局、アメリカ企業は国家によって庇護されるのを待つしかない。
つまり、
中国製品が締め出されるのを待つという、
「モヤシっ子の担任頼み戦略」しかアメリカ企業には残されていないのだ。
これは英国企業であるダイソンにも当てはまる。
先行したことをいいことに奢りたかぶり、
コスト削減努力をおざなりにし、
もはや高い価格でしか利益を出せない企業構造になってしまっている。
結果、競合企業が現れれば価格競争では太刀打ちできず、
尚且つアフターサービスを長年に渡りぞんざいにしてきたため、
代替が出れば顧客はさっさと離れていってしまう。
「奢り」は長期販売戦略として最悪なのだ。
締め出して 情報戦で勝つ/英米 勝利の方程式
いつか来た道。
自分たちが策定した国際・自由競争ルール。
それで勝負したなら負けるから、アングロサクソンは競合国の商品を締め出す。
WW1では第二次産業革命で先んじたドイツ製品を締め出した。
WW2ではいち早く世界大恐慌を克服した日本製品を締め出した。
そして共に大戦に発展。
ここから類推するに、
WW3は中国製品を締め出すことで起こるとみるのが自然だろう。
ネット通販での中国製品の台頭を見るに、
そして、英米の情報統制の脆弱化を見るに、そのXデイは果てしなく近い。