９９%の中の１%／トランプ／クラウド時代の天下人

２０２４年。
アメリカ大統領選挙はドナルド・トランプの勝利で幕を閉じた。
米大統領選挙は国家元首を選ぶ行為であると同時に、アメリカのアイコンを世界に示す儀式でもある。

例えば、オバマの大統領就任は「アメリカはもはや白人の国ではない」というアイコンを世界に示した。

では、トランプの大統領返り咲きは何を世界に示したのだろうか。
トランプの大統領返り咲きが世界に示したもの。

９９％資本主義の狂気

９９%の中だけの１%／ロナルド・トランプ

トランプは大富豪だ。
だがトランプの富は、円換算の金融資産保有額にして１０００億円から１兆円の間にすぎない。
１％の富だけが幾何級数的に膨張していく現下世界にあっては、トランプの富は明確なる１％とはいえない。

トランプは９９％でも理解の及ぶ１％。
本物の１%を度外視したフェイクとしての１%。
本物の１%を含まない９９%の中における１％。

つまり「９９%の中だけの１％」なのだ。

クラウドセンチュリー天上時代の天下人／トランプ

日本語はすこぶる便利だ。
何気ない言葉の中に、世界の見えない部分を可視化させる示唆がある。

本記事でポイントとなる日本語が「天下」だ。

「天下取り」といえば威勢がよく聞こえる。
だが少し考えてみれば、天下取りとは腰抜けもいいところだ。
なぜなら、天上クラウドを完全に諦めているからである。

翻って、２１世紀はクラウド天上の時代だ。