消えた団塊JC…/失われた30年の置き土産
団塊の世代、
つぎに団塊ジュニア世代、
そして団塊ジュニアチャイルド世代だ。
人口数が他と比べてすこぶる多いことから、
「団塊の世代」と名付けられたのが1945年生まれ周辺の世代。
その人口ボリュームのある団塊の世代が親となり子供をつくった。
結果、1975年生まれ周辺にまたも人口数の多い世代が生じる。
それが団塊ジュニア世代と名付けられた。
そこから30年。
デフレ不景気のため出生率は低下したが、団塊ジュニア世代は分母数自体が半端なく多い。
そのため団塊ジュニア世代がつくった子供の数はなかなかに多いはずだ。
そこで、この団塊ジュニア世代が産んだ子供たち、
2005年周辺に生まれた子供たちを「団塊JC世代」と命名しよう。
団塊JC世代は本当に多いのか??
2005年生まれというと「幼いな」というイメージがあった。
だが、恐ろしいことに来年が成人式だ。
もう彼らも大人の仲間入りである。
来年、2005年に、
団塊ジュニアチャイルド世代が成人するのだ。
少子化の波を受けて、
総じて子供の数が減っている。
だがこの団塊ジュニアチャイルド世代は他とは一線を画している……はずだ。
人口動態を確認してみよう。
団塊JC世代とは2005年を中心とする世代だった。
団塊ジュニア世代(1975年生まれ)から30年をへて、ここに再び人口が多い世代が生じると仮定してみたわけだ。
ところが、
この表からは特に2005年周辺が、他の世代より人口が多いという有意なデータは見られない。
団塊の世代から団塊ジュニア世代に、
人口ボリュームが継承されてきた。
だから、
団塊ジュニア世代から団塊JC世代に、
人口ボリュームが継承されるはずだ。
そう仮定して論を進めようとしたが、
いきなり仮説の検証段階でつまずいてしまった。
人口ボリュームは団塊ジュニアチャイルド世代に継承されなかったのだ。
消えた団塊JC世代の謎
「2005年生まれ周辺」を団塊JC世代と命名したものの、
肝心の人口ボリュームが団塊ジュニアチャイルド世代には伴っていなかった。
では、なぜ団塊ジュニアチャイルド世代に人口ボリュームが継承されなかったのだろうか?
次のような仮説はどうだろうか。
図をよく見ていると2004年より前の世代は人口総数が多い。
2005年 1,062,530
↓ 増加
2004年 1,110,721
2003年 1,123,610
2002年 1,153,855
だから、
団塊ジュニア世代からの人口ボリュームの継承が、
何かしらの理由によって2005年より少し前に偏った。
こう仮定すれば、
団塊ジュニアチャイルド世代を見失わないで済むかもしれない。
こう仮定すれば、
2001年生まれ
2000年生まれ
1999年生まれ
・・・
・・・
・・・
と遡ったところも人口が多いことになる。
早速、調べてみよう。
2005年 1,062,530
↓ 増加
2004年 1,110,721
2003年 1,123,610
2002年 1,153,855
2001年 1,170,662
2000年 1,190,547
1999年 1,177,669
1998年 1,203,147
1997年 1,191,665
1996年 1,206,555
1995年 1,187,064
1994年 1,238,328
1993年 1,188,282
1992年 1,208,989
確かに2001年以前に遡るほど出生数は増えている。
だが1992年に至るまで増加トレンドが途切れていない。
これでは団塊ジュニアチャイルド世代の範囲があまりに広くなってしまう。
しかも、1992年〜2004年は出生数が概ね横ばいでありどこかに山が出来ている様子は見受けられない。
ここからわかることは、
「出生数が多い団塊ジュニア世代は、その人口ボリュームを次の世代に継承できなかった」ということではないか。
これが今回の論考における結論である。
次回以降の記事で、団塊JC世代についてより深く考察してみよう。