【社会環境部会コラム】社会と環境について思うこと(23)私の体感から地球温暖化を考える
私の住む川越は近年極端な暑さが増え、一方で極端な寒さが減ってきています。月刊かわごえ環境ネット2013年9月号(No.083)「クールスポット」温度差体験から、当時の真夏の温度の状況と省エネ温度計についてです。
投稿の要約
夏の電力需要の最大ピーク時に家庭から地域の涼しいところへ移動することにより、家庭のエアコンの電気使用量を減らすことを目的として、埼玉県が音頭を取ってはじめた「彩の国クールスポット100選」に川越から9箇所が選ばれ、県内では「276箇所」です。社会環境部会では2012年8月8・9日に市内のクールスポット9箇所の温度調査をいたしました。私も8月9日に3箇所の温度差を体験してきましたので紹介します。
体験箇所と温度差
①名細八幡神社(湧水) 温度差 3.5℃
14:35 境内入口 33.0℃ 境内 29.5℃
②市民の森1 号地内 温度差 2.5℃
14:00 森の入口 33.0℃ 森の中 30.5℃
③仙波東照宮石段 温度差 1.5℃
14:35 境内入口 35.5℃ 境内 34.0℃
結果は1.5℃〜3.5℃までの温度差が見られ、街中の温度は35.5℃、郊外は33℃です。
当時の液晶表示の温度計
南海電鉄が地球温暖化防止を考えることで2011年に配った「省エネ温度計」の写真をご覧ください。温度計の数値の最高が34℃です。今となっては信じられないことです。なお、家の中の一番温度が低い北側の玄関で使用中です。
2011年3月11日は忘れもしない「東日本大震災」が起き、福島第一原子力発電所の事故によりメルトダウンや放射能汚染が発生、原子力発電に頼る電力の供給が破綻し、計画停電が実施され、緑のカーテンが推奨されました。
かわごえ環境ネットの武田理事(当時)は、同年4月2日に緑のカーテンの普及のための緊急会議を開催、夏に向けての暑さ対策と電力消費の抑制を訴えました。時宜を得たすばらしい行動力でした。
2011年に配られた省エネ温度計の測れる上限温度は34℃、昨今6月25日の川越駅西口道路上の温度は44℃でした。10年間で約10℃の気温上昇です。
国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2021年8月に発行した第1作業部会第6次評価報告書(WGI AR6)では、「1850〜1900 年から2010〜2019 年までの人為的な世界平均気温上昇は1.07℃(0.8〜1.3℃)である」と述べています。
私の体感やデータでは、2011年8月と昨年6月を比較すると少なくとも5℃以上の気温上昇であると思います。IPCCの報告書とは大きく違います。
気候変動(温暖化)問題で、不都合な真実に目をつぶることなく省エネや資源の節約を個人や国家が行わないと、地球の多くの場所が、暑さ、乾燥、洪水、海水面の上昇などで住めなくなるでしょう。よくない方向に日々向かっていると体感しております。
(菊地三生)