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【フランス訪問記2025】ジュラ(アルボワ)カルナージュ(2025/2/10)#41

カルナージュ / レ・ジャルダン・ド・サン・ヴァンサン / ステファン・プランシュ
Karnage / Les jardins de st.vincent / Stephane Planche

昨年に続いての訪問です。お土産を渡すと喜んでくれました。元々3星レストランのソムリエとして長年働いてきたステファン・プランシュ。約20年前にアルボワで ワインショップ(Les jardins de st.vincent / レ・ジャルダン・ド・サン・ヴァンサン)をオープンします。その後2017年に買い葡萄によるワイン生産をスタートさせます。友人のワインメーカーとのコラボレーションなどの企画を経て、カルナージュとしてワインの醸造と販売をシャルル・ダカン共に活動していました。しかしシャルル・ダカンとはパートナー・シップを解消し、現在は一人でやっているそうです。

ステファンのワインショップ アルボワの中心地にあります

少量でもジュラのブドウでワインを醸造したい。価格はそれに見合った価格で販売をしたいダカンと、良いブドウがあれば、どのエリアであっても手に入れて醸造をしたい。なるべく手に取りやすい範囲の価格で販売をしたいステファンとの考えの違いが徐々に明確になってきたから、とのことです。

様々なアプローチがあるのは当然なので、起こりうることだと思います。しかし現在ワインショップを経営しているステファンは、良い買いブドウの購入先を見つけ出したり、また実際に醸造を行ったり、となかなか多忙なようです。

2022~2024のワイン

今回は2022-2023,2024のワインを一通り試飲させてもらいました。ステファン自身はマセラシオンを施したワインが好みのようです。

ソムリエ、ワインショップという経歴の中で、いつからワイン作りの考えがあったのか聞いてみると、ずっとワインを作りたかったと言っていました。専門的にワインを学んだことはないが、その経歴の中で数々の生産者と話をしてきたし、何本もワインを飲んできたので、その経験からワイン醸造を行っています。と言っていました。またそのキャリアからもフランス全土の生産者、特にジュラの生産者との繋がりも深く、一緒に食事をしているとたちまち人の輪ができるほどです。アルボワは大きい街ではないということもあり、また同じ業界に身を置いていれば大概の人は知り合いなのでしょう。

ジュラのワインが高騰していて、しかもなかなか手に入りにくいというのも現地に来てみると体感できることです。ジュラは意欲のある若手の生産者が次々に現れ、耕作面積は小さく、降水量もフランスの中では多く(少ない方が良い)、自然環境が過酷です。反面、地場ブドウ(プールサール、トゥルソー、ピノノワール、シャルドネ。サヴァニャン)に魅力があり、それらのブドウから美味しいワインが作れます。美味しいワインは作れますが、元々の耕作面積の狭さ、または年による不作の多さなどから生産量が限られますので、価格が高騰します。

でもアルボワやポリニーを歩いてみると、フランスのどこにでもある小さな村です。人々は優しく、フレンドリー、真摯に仕事に向き合っている印象があります。この素朴な街から生まれるワインが投機的な要素も絡み、高騰し続けています。良くも悪くもこれが現実で、ワイン生産者達も現実に対峙しています。


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