見出し画像

【フランス訪問記2025】 ロワール(アンジェ)ラ・マルティニエール訪問①(2025/2/27)#59

翌朝はTGVでパリからアンジェへ移動します。一行とはモンパルナス駅で待ち合わせです。日本だったらギリギリで向かうところですが、何が起きるか分からないので多少余裕を持って行動します。モンパルナス駅まではトランクを引きながら徒歩10分くらいで着きました。余裕があるので、駅構内で朝食です。何気に頼んだパン・オ・ショコラが普通に美味しい!

モンパルナス駅構内で買ったパン・オ・ショコラ

パン・オ・ショコラを食べているところで無事に一行と合流です。アンジェまで約2時間のTGVです。アンジェに着いたらまずは「ラ・マルティニエール」を案内してもらいます。「ラ・マルティニエール」の訪問も今回の旅のハイライトの一つです。「ラ・マルティニエール」は日仏商事が所有するワイナリーです。そうです日本の会社がロワールでナチュラルワインを作っています!ブドウの栽培からワイン醸造、販売まで一貫して手掛けています。

「ラ・マルティニエール」
2018 年、日仏商事がフランス・ロワールに所有する Vignoble Haute Couture(ヴィニョーブル・オート・クチュール)が取得したワイナリー。ワイナリー責任者は弊社の筒井草(かや)、栽培責任者は Ludovic JOLY (リュドヴィック・ジョリー)。醸造コンサルタントに大岡弘武氏を迎え、取得した 2018 年よりワイン造りを開始。2023 年 3 月、初ヴィンテージをリリース。

ワイナリーはロワール川の左岸、メーヌ=エ=ロワール県アンジェから南東に約 20km、ソミュールから北西に 25km のクチュール村にある。敷地総面積は森や建物も含め 11.53ha。「ラ マルティニエール」という場所は、17 世紀から文献に登場しており、18 世紀よりワイン造りをスタートしていた。直近の持ち主としては、2014 年から 2017 年までグザヴィエ・カイヤール氏(Xavier CAILLARD)が管理をし、有機栽培を行っていた。

醸造所は地下洞窟にあり、すべての畑の中心に位置する。畑から醸造所までの距離というのは、亜硫酸を使用しない自然派ワイン造りにおいては欠かせないポイントである。また年間を通して温度が比較的安定しており、たとえ猛暑の夏でも醸造所内は 16°C程までしか上がらない為、温度調整をしなくとも、ゆっくりとした低温発酵が可能である。

畑の最大の特徴は、全ての畑が同じ敷地内に存在しており、隣の畑の影響をうけずにマルティニエール独自のテロワールができていることである。また西側から東側へ風が抜け、湿気が溜まりにくい地形が生むマイクロクライメイト(局所気候)のおかげで霜被害に遭いにくい。全体の畑の総面積は6ha。 標高は一番高いところで 70mほど。すこし小高い丘になっている。密植度は 4500 本/ha。樹間が 1mで畝間が 2mとなっている。

日仏商事(株)資料より引用

早速ワイナリー責任者の筒井さんに畑を案内してもらいます。実は今回の旅でずっと通訳や案内をしてくれているのが、このワイナリーの責任者の筒井草さんです。筒井さんが不在の間は同僚のルドヴィックが畑と醸造所をきちんと管理してくれていました。

畑には羊がいます。近所の羊農家さんから羊を70匹レンタルしているそうです。レンタル羊・・・。すごい。羊が冬の間に余計な雑草を食べてくれます。また羊の糞尿は有機的な肥料となります。なんとも牧歌的な風景ですが、きちんと理にかなっています。

カベルネフラン「紅貴」の区画 樹齢約80年

今羊がいる畑が南東向きの樹齢約80年のカベルネフランの古樹の畑で「紅貴」というキュヴェが作られます。その隣には樹齢約25年のカベルネフランの区画があります。こちらからは「茜丘」というキュヴェが生まれます。土壌は粘土石灰質土壌となります。

シュナンブラン「詩旅」の区画

同じく南東向きのシュナンブランの区画もあり、「詩旅」というキュヴェが作られます。他にもまだ手が入っていない耕作放棄された場所にカベルネフランがあり、シュナンブランを継木したそうです。またいくつか実験的に他のブドウ品種も植えた区画もあるそうです。

ワイナリーは周りがブドウ畑や雑木林に囲まれた開発が進んでいない自然豊かな場所にあります。畑自体は緩やかな傾斜を含むなだらかな土地にあります。畑作業自体は大変なこともあると思いますが、急峻な崖にあるわけでもなく、作業性に優れた立地と言えると思います。

続いて醸造所を案内してもらいます。醸造所は畑の目の前です。

醸造所は目の前

続く。

いいなと思ったら応援しよう!