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ゲームファンの嗜好は少しずつ変化している

売れているコンソールゲームの大半は、2000年前に発売された人気ゲームのシリーズタイトルだ。1985年のゲームユーザーを中心とするユーザー層には馴染みのタイトルである。当分この傾向は変わらないだろう。と先日書いた。
だが、ゲームファンの嗜好が少しずつ変わりつつあるのではないか、と最近考えることがある。
 
この数年大学で話すことがあり、授業の前にアンケート調査を行っている。
アンケートの質問は毎年同じ。最初が「初めて遊んだゲームは何ですか?」というもの。
ゲームタイトルはばらばらだが、ゲーム会社という視点から見ると、毎年だいたい70%ぐらいが任天堂のゲームである。マリオシリーズ、ゼルダシリーズ、ポケモンシリーズ、どうぶつの森シリーズなど。多くの人のゲーム人生が任天堂のゲームから始まっているようだ。
次いで、バンダイナムコやスクウェア・エニックス、セガと様々な会社のゲームが続く。
 
こうしたゲームをどんなゲーム機でプレイしたのか調べてみると、何と90%が任天堂のゲーム機だった。中でも多かったのが、ニンテンドーDS。毎年圧倒的な割合で多い。Wiiやニンテンドー64がこれに続いている。
意外だったのはファミコンやスーパーファミコンという回答だ。おそらく昔両親や祖父母が買って自宅にあったので、それを小さいころ遊んでいたのだろう。
 
アンケートの質問はもうひとつ。「一番好きなゲームは何ですか?」というものだ。
毎年多いのは、モンハンやスマブラ、ポケモンシリーズのタイトルである。これらに続いているのが『Apex Legends』だ。
 
実際にプレイしている人も多いと思うが、2~3人がチームとなって戦うFPS(First-person shooter/操作するキャラクターの視点でゲームの世界を動き回りおもに武器を使って戦うゲーム)である。『VALORANT』がこれに続く。このゲームもFPSだ。この数年の傾向はこのようになっている。
 
2000年代末ごろネクソンの人と話したことがある。彼は、自社でサービスしている『カウンターストライク』のプレイヤーがなかなか増えないと悩んでいた。日本でFPSは難しいですね、と。そのことを思い出すと隔世の感がある。
技術が進化してFPSのゲームがより面白くなったことはもちろんだが、この数年人気が出てきたeスポーツの影響もあり、FPSのファンが増えたのだと思う。
 
eスポーツのファンはほとんどが10代、20代なので、国内でもっとeスポーツが盛んになるとさらにFPSの人気も高まるに違いない。ゲーム市場を支える人たちの好みは、このように少しずつ変化している。願わくば、ゲームファンを夢中にさせるような国産FPSタイトルがそろそろ出てきてほしいものだ。


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