観光公式サイトにおけるSEO施策
前回の記事で、2019年都道府県観光公式サイト閲覧者数ランキングで、三重県観光連盟が運営する「観光三重」が全国1位になったことを書きました。
今回は、サイト(ホームページ)をたくさんの方に見てもらうために必要となる「SEO施策」について書いてみたいと思います。
サイト閲覧数を上げるには
サイトを運営する立場になれば、誰もが「たくさんの方にサイトを見てもらいたい」と思いますよね?
サイトが見られているかどうか、を客観的に評価できる数字が、サイトの閲覧数(サイト内のページが見られた数=ページビュー数=PV数)です。
で、この数字を上げていく(=たくさんの方に見ていただく)ためには、「SEO」に取り組む必要があるんです。
SEO?なんて読むの?
「SEO(エス・イー・オー)」は、Webマーケティングの世界では誰もが知っているキーワードですが、観光や行政の世界では誰も知らない言葉です。
ざっくりいえば、「グーグルやYahoo!で検索した時、自分が運営しているサイトのページを上のほうに表示させること」です。
自分が何かを調べるためにグーグルやYahoo!で検索したときのことを考えると分かりますが、検索結果に表示される記事の中からどれをクリックするかといえば、だいたい一番上の記事ですよね。
2番目、3番目と、表示される順番が下になればなるほど、クリックする確率は低くなるわけで、さらに検索結果の2ページ目以降となれば、なかなかクリックしないというのが実態です。
つまり、検索結果の上のほうに、自分が運営しているサイトのページを表示させることができれば、多くの方にサイトを見てもらえる、ということで、それを実現するためには「SEO=Search Engine Optimization」に取り組む必要がある、ということです。
SEOの仕組み
グーグルのように、インターネットの世界から最適な検索結果を表示させるサービスのことを、「検索エンジン(Search Engine)」と呼びます。
検索エンジンは、インターネット上にある膨大なWebページの一つひとつにどんなことが書かれているかを記録しており、誰かが何かを検索した時、その記録されてるページの中から「知りたいことが一番詳しく書いてあると思われるページ」順に、検索結果として一瞬で表示してくれます。
(超絶スゴい技術ですね!)
検索エンジンは、機械でインターネット上のページ内容を読み込み、
「このページには、〇〇について詳しく書いてあるけど、△△についてはあんまり書かれてない」
ということを評価して記録していきます。
検索結果には、その評価が反映されるので、
「〇〇を検索すれば上のほうに表示されるページが、△△で検索すると表示されない」
ということになるわけですね。
つまり、検索結果の上のほうに表示させるには、検索エンジンにきちんと評価してもらう必要がある、ということです。
で、このことを専門用語で「検索エンジン最適化」=「Search Engine Optimization」=「SEO」と呼んでいるわけです。
SEOに取り組むことは、「ページの質」を上げること
それでは、「検索エンジンにきちんと評価してもらう」ためには、何をすれば良いのでしょうか?
その答えは、グーグルが自ら用意してくれています。
それが、「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」です。
Webの知識のない方が読むと、「ちょっと、何言ってるか分かんない」状態になりますが、一番重要なポイントは、
「興味深く有益なサイトにする」
ということです。
人を引きつける有益なコンテンツを作成すれば、このガイドで取り上げている他のどの要因よりもウェブサイトに影響を与える可能性があります。
と書かれているように、いろいろテクニック的なことはあるけれども、
「役に立つ良い情報がきちんと書かれているかどうか」
という評価指標が、SEOにとって最も大切だ、ということです。
その他にもいろいろと書いてあるわけですが、これらの施策を実行していけば、自動的に「見ている人にとって、分かりやすく、読みやすいページ」になっていきます。
一言でいえば、「ページの質」を上げる、ということなんですね。
観光公式サイトにおけるSEO
では、観光公式サイトにおいて、どのようにSEOに取り組んでいけばよいでしょうか。
観光公式サイトの「ページの質」の判断基準は、
「見ている人が、そこに行きたくなるかどうか」
だと考えています。
観光スポットのベーシックな情報を記載するだけでなく、綺麗な写真をたくさん載せたり、歴史的な背景を書いてみたり、近隣のグルメ情報を追加したりすれば、見ている人が「行ってみようかな」と思ってくれる可能性が高くなります。
また、「行ってみようかな」と思ってくれた方に、実際に来ていただくには、詳しいアクセス情報や、スポットの問い合わせ先情報は必須ですね。
つまり、
「見ている人の気持ちになって、ページの内容を充実させる」
ということです。
で、これこそが、一番の「SEO」施策なんです。
もちろん、テクニック的なこともやったほうが絶対いいですよ。
タイトルの中に必ずキーワードを入れたり(なるべく文頭に)、別のサイトからリンクをしてもらったり、SNSで発信したり。
ただ、「ページの内容を充実させること」が最優先なので、本末転倒にならないようにしてくださいね。
順位を上げるより、大事なこと
本末転倒にならないように、というのは、自戒を込めて書いてます(笑)
というのも、SEOに取り組んで検索順位が上がるのって、言葉は悪いのですが、ゲーム感覚で楽しいんです。
ハマる人は、とことん追求したくなってくるんですよね。
で、SEOにハマりまくっていたある日、SEO界隈ではよく知られているグーグルの金谷さんとお昼をご一緒する機会があり、観光公式サイトでどこまでSEOに取り組むべきか聞いてみたところ、
まず、観光スポットの検索結果の上位に表示されてるページを読んでみるべきじゃないかな?
そのページが、ちゃんと情報載ってる良いページなんだったら、その観光スポットについては観光公式サイトとしてSEOに取り組む必要はないよね。
と言われ、もう、本当にそのとおりで、まさに目から鱗でした。
それ以降、他のページ内容も"ある程度"確認するようにしてます。
で、うちのページよりも上に表示されてるページ内容がショボかった場合は、もう全精力を傾けてSEOに取り組むようになりました(笑)
SEO業者・SEOツールとの付き合い方
ちなみに、検索結果の上のほうに表示させることって、一般的にはお金儲けにつながるんですよね。
例えば「松阪牛 ギフト」と検索している人は、間違いなく松阪牛を誰かのために買おうと思って検索しているわけです。
その検索結果は、「松阪牛のギフトをお探しの方向けおすすめサイトランキング」となるので、当然、上のほうに表示さた松阪牛通販サイトは、クリックされる確率が高い=購入される可能性が高い=儲かる、ということになります。
なので、みんな必死にSEOに取り組むんですね。
そういう方をターゲットとして、専門的にSEO施策を実施してくれる「SEO業者」さんがいます。
また、SEOに取り組むのを手助けしてくれるツールもたくさんあります。
お金を払ってSEO業者さんやツールを使うことで、リターン(利益)のほうが大きくなるのであれば積極的に活用すべきだと思いますが、こと観光公式サイトにおいては、費用対効果をしっかり吟味すべきだと思ってます。
実際に、月〇万円かけてコンテンツマーケティングツールを使っていた時期もあるんです。
ただ、ページを量産してるメディアサイトであれば、ツールを使ってPCDAを回せますが、月に数本の記事を作成するレベルであれば、宝の持ち腐れになってしまうんですね。
それに、なんといっても観光公式サイトって「コンバージョン」が無いんです。
コンバージョンとは、サイト上での利益につながるアクションのこと。
松阪牛通販サイトであれば、「購入する」ボタンをクリックしてもらうことですね。
コンバージョンという分かりやすい数値があれば、それを上げるためのPDCAを回していくこともできますし、費用対効果も明確に数字で示せますが、コンバージョンがなければ、その辺があいまいになりがちです。
もちろん、観光公式サイトは「たくさんの方に見てもらう」のが一種のゴールなので、「PV数を増やす」ためにツールを使うのはアリだと思います。
ただ、グーグルの無料ツール(アナリティクス、サーチコンソール、キーワードプランナー)でも十分なデータは取れるので、まずはグーグルを使い倒すことをオススメします。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは最後に、美しい三重の写真をご覧ください。
写真提供は、無料で素晴らしい写真を提供してくれる三重フォトギャラリーさんです。
こちらは、誰もが知っている「伊勢神宮」の宇治橋。
詳しくは、三重県の公式観光サイト「観光三重」の特設サイト『初めてのお伊勢まいり ~伊勢志摩を歩く』をご覧ください。