1200年後の未来?先端アートデザイン分野って何なん??(東大先端研と事業構想大学院)
先日、仕事の関係で東京大学の先端科学技術研究センター主催の「『先端アートデザイン分野』開設記念シンポジウム」のお手伝いをしてきました。要は、アートの考え方を使って社会をデザインする研究を東大が始めます、ということだと理解しているのですが、一日いろんな方のお話を伺っていると、基本的な考え方は事業構想大学院もほとんど全く同じだなと感じました。
私がいま通っている事業構想大学院は「美大みたいな大学院」とよく言われたりします。授業内容も、アート思考、クリエイティブ思考、デザイン思考みたいなものや、新たな価値の創造ということが非常に重要視されています。その結果、理詰めのMBAはイヤだ!もっと面白いことやりたい!という一風変わった社会人学生が集まってきます。ちなみにこういう人たちは、人と関わるのが好きでお酒をよく飲む人が多いです。
さて、東大先端研のアートデザイン分野は東京藝術大学とも連携しているというご縁で、シンポジウムの第2部では東京藝大の澤学長、先端研の近藤薫特任教授(ともにヴァイオリニスト)のほか、ピアニストの辻井伸行さんと東京フィルの方々をお招きしてコンサートが行われました。久しぶりにライブで音楽を聴きましたが、やはり感性に直接訴えかけてくる感じ、痺れる感覚がたまりませんでした。弦楽器は単体だとキイキイ鳴るのに、それがなぜか合奏になるとものすごく、ハコのように立体的な、金属的な音になるのをいつも不思議に思います。
わたしは音楽でも授業でも飲み会でも何でも、ライブが好きです。事業構想大学院のエリック教授は『クリエイティブ発想法』の講義で、「ライブの特徴は、演者が同じメッセージを何度も発するので聴衆に共感が生まれやすい」という事を言っていました。(飲み会で酔っ払いが何度も同じメッセージを発することがありますが、あれはご勘弁願いたいですね・・・。)クラシックの場合、楽譜どおりに演奏するということが基本にはあるのですが、しかしライブではおそらく目に見えないひとつのメッセージを発し続けているのだろうと思いました。
シンポジウムの登壇者でいちばん印象的だったのは、CGアーティストの河口洋一郎さん。黒い大きな袋を持って登壇し、何か取り出したと思ったら、自分が作ったCGを3Dプリンタで立体化したらこうなったという、臓器から血管が生えたような模型で、こういう臓器とか血管をアートにしたらいいんじゃないかということをすごく楽しそうにお話しされていて、いい感じでイカレていて最高でした。
先端アートデザイン分野ではいろんな芸術家の方々を特任教授に任命して、1200年後の未来のために社会をデザインしていくという、まさに時代の先端を行くプロジェクトを進めていて、いちスタッフの私も大変刺激を受けてしまいました。もっと遥か遠くの点をイメージして思考を巡らせたいなあと思いました。できる限り支離滅裂に。