悪い大人ほど、よく笑う。
金髪で大きな口をあけている大人と、全身黒尽くめにサングラスの大人。どうみても悪い大人じゃないですか。でもめっぽう面白いんですよ。サングラスの大人は、ワタナベアニさんです。最近話題の本「ロバート・ツルッパゲとの対話」の著者にして、写真家でありアートディレクター。今日の「渋谷のテレビ」に遊びにきてくれました。
土屋敏男さんの作った、欽ちゃんのドキュメンタリー映画「We love television?」の写真を撮っていることもあり、独特の強面が脳裏に焼きついていました。そしてこれまた強烈な強面本「ロバート・ツルッパゲとの対話」を上梓され俄然興味が湧きました。その本を買ってみようとAmazonを見たら売り切れだったので、それをツイートしたら、ご本人から「再入荷されましたよ」というメンションが来たりして、そんなこんなで、会う前からなんだか勝手に「友達気分」でいたりしました。僕は最近火事あったばかりなのですが、焼けた家からたった一冊「ロバート・ツルッパゲとの対話」を持ち出したりとかして、もうこうなると会ったことも話したこともないのにまるで家族のような気分になりました。おおげさでしたね、すみません、テレビ屋の悪い癖です。
火事にあったので、家族との日常とか、借りぐらしとかを記録するために、写真を撮りたいなぁと、Facebookで西本さんと話していたら、突然、アニさんから「俺のお古でよかったら使ってください」って書き込みが来たりして、そんなこんなで今週の「渋谷のテレビ」に遊びに来ていただいた次第です。
そして今日、アニさんから、SONYのコンパクトデジカメRX100をいただきました。しかもそれはお古ではなく、「人に使ってもらうのに傷だらけだと悪いので」って、同じものをわざわざ買い求めて渡してくれました。
そのカメラで最初に撮ったのが、この写真です。
金髪もサングラスも、どっちもすごく楽しそうです。どっちも見た目は堅気じゃないですが、仕事は本当にすごいことをしています。そして何より人として魅力的。
金髪といえば、この男・西本武司。RX100で次に撮った被写体です。
見た目は金髪ですが笑、細やかな心配りのできる人です。火事の直後、「家族全員の足のサイズを教えてください」とメッセージをくれ、翌日には家族全員の靴と服を一揃え駆けつけてくれました。極私的な話に終始してすみません。
でも、そもそもどんな物語も極私的ですよね。僕はこの夜のことを、どうしても書き残しておきたかったんです。ワタナベアニさんがカメラをもらうなんて、野球を志したら、いきなりイチローからグローブをもらうみたいな話です。ギターを志したらリッチー・ブラックモアからギターをもらうとか、ジェダイを目指したらヨーダからライトセーバーをもらうとか、ボウリング始めたら中川律子からボールをもらうとか、もういいですね、すみません。
ちなみにワタナベアニさんのマガジン「写真の部屋」。やたら面白いです。
僕はこれからどんな写真をとるんだろう。撮りたいものはたくさんあります。このカメラとの出会いが、僕を別の場所に連れて行ってくれるかもしれません。この数年、何かに導かれるように魅力的な人に次々に出会います。なぜだかはわかりません。でもこれからも沢山の人たち出会うでしょう。家族との日常、そして沢山の出会いを、このカメラと一緒に記憶に刻んでいきたいと思います。
最後に。ワタナベアニさん ありがとうございます。