夏越の大祓の話。
ごきげんよう。
暦は6月・水無月となりました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
水無月は「水の月」と言われる月で、梅雨の時期でもございます。
全国各地の神社様では「夏越の大祓」のご案内がなされておりまして、
私の自宅にもご案内が届きました。
大祓のお式は、
通常ですと、当日ほぼ制限なく参列することができるのですが、コロナ禍中は、
神職さんのみ(参列者なし)で執り行われた所や、
ご参列の人数を分散するため、お式の回数を増やして執り行われるなど、
各神社様でそれぞれのご対応がなされております。
本年(2022)の夏越大祓式は、参列者なしで行われていた神社様でも、
ご参列のご案内がなされておるところが多いようにお見受けいたしますが、
ご参列いただけないところもございますので、ご参列を予定されている方は、ご確認されることをおすすめいたします。
また、大祓の時期には「大祓のおふだ」
「茅の輪のお守り」のお授けがなされ、境内には「形代 または人形」がご用意されます。
期間限定の行事食
また、6月に行われます大祓の行事に関連して、
京都発祥の和菓子「水無月」や
近年では、行事食の「夏越ごはん」など
季節限定の食べ物もございます。
こちらの「夏越ごはん」は
公益社団法人「米穀安定供給確保支援機構」により、
東京を中心として新たに提唱されて、都内約110社の神社様もご協力されておる行事食でございまして、平成27(2015)年には、6月30日の新しい記念日として「一般社団法人・日本記念日協会」により「夏越ごはんの日」として認定・登録されております。
大祓行事について
大祓の行事に関するお話につきましては、
『和樂web日本文化の入り口マガジン』にて
令和3(2021)年4月より始まりました
彬子女王殿下による御連載
「彬子女王殿下と知る日本の年中行事」によります
全国各神社様の公式ホームページ・SNSなどにて、
ご説明がなされておりますので、そちらをご覧頂きたく存じます。
この機会に是非ともお住まいの地域の神社様の公式サイトをご覧くださいませ。
学術的な説明に関しては、
『ジャパンナレッジ』webサイトの「大祓」が参考になると思うのでご紹介いたします。
また、筆者の手元にある『刷縮版 神道事典』から
「大祓」についての解説を以下に抜粋致します。
読み方といたしましては、夏越は「なごし」の読み方が一般的ですが、
他にも複数の読み方がございます。
大祓の行事につきましても、
「大祓式」「大祓祭」「夏越祭」など、
各神社様によって呼称がことなることもございます。
また、神事が行われる期間につきましては、
基本的には6月30日に執り行われますが、神社様によっては、6月から7月までの間、それぞれの日時で執り行われる事もありまして、「旧暦の6月30日」にあわせて行われるところもあり、現在の暦・旧暦とあわせた期間中行われております。
神事のお式の流れ(次第)につきましても、
各神社様によって様々なお作法もございます。
各地域や神社様の故実、現在の諸事情などの理由などから、
一葉でないところもございますので、読者の方の御縁ある神社様でいわれておる呼称やお作法にならっていただければと思います。
各神社様の公式サイトのご案内などを拝見いたしますと、
さまざまなお作法やご説明がございますので、とてもお勉強になります。
大祓詞
また、お式の当日に神職さんがお唱えされる
「大祓詞」は、神社様によっては参列者もご一緒にお唱えるするところもございますが、
コロナ禍中は、神職さんのみでお唱えするご対応がなされて、ご自宅でお唱えしていただく旨のご案内をされておる神社様もございます。
こちらの「大祓詞」は、当日私たちがお唱えすることも大切なので、横浜市保土ヶ谷区に鎮座します「神明社」様の公式ホームページの「大祓」項目にて、すぐにプリントアウトできる「ルビ付き・送り仮名ひらがな仕様でご用意されたPDFファイル」のご案内があげられておりましたので、こちらをご紹介させていただきます。
茅の輪の話
夏越の大祓の時期には、神社の境内に「茅の輪」が設置される所が多く
(なされない所も一部ございます)
設置される日は、6月の始めから下旬頃までと各神社様によってことなっております。
茅の輪がどのように作られていくのかにつきましては、
上ツイートの北海道札幌市に鎮座します「西野神社」様の
公式ブログ「西野神社 社務日誌」
東京都葛飾区に鎮座します「葛西神社」様の公式サイトの
「年中行事」にて写真付きでご説明されておりますので、こちらをご紹介いたします。
「茅の輪」を拝殿向拝に設置しました」
(西野神社様公式ブログより)
「夏越の大祓」
(葛西神社様公式HPより)
設置場所につきましては、本殿前や鳥居などに設置されまして、
形の様式なども様々ございます。
茅の輪の設置時期につきましては、6月始めから下旬あたりまでと
各神社様によって奉製日に異なりがございます。
私が以前に長期助勤(アルバイト)していた神社様では、
大祓式が行われる前日にご社殿前の参道に設置され、
7月上旬あたりまでおくぐり出来る形式でした。
その理由は、茅の輪を奉製されている氏子さん方が、
青々活き活きとした茅の輪で大祓式を執り行ってほしいという思いから、
前日に奉製されるようになったとお伺いしております。
また、大祓式の日程につきましても、管理している別所の神社(兼務社) にて例大祭が行われる関係から、大祭前の日曜日に執り行われております。
また、他所の神社様(こちらも以前の助勤先) では、
6月中旬頃に神職方による奉製にて茅の輪が設置されまして、
6月30日に大祓式が執り行われたのち、茅の輪はお下げされておりました。
私が住んでいる地域では、
氏神神社様(旧村社)では、夏越大祓の行事は執り行われず、
地域総社の鎮守神社様では行われておりますので、
現在は鎮守神社様にてお世話なっております。
茅の輪のくぐり方
例年、茅の輪くぐりをなされる方は、月参りや形代をお納めになられるなどでご参拝の折になされる場合や、
茅の輪をおくぐりになられるためにご参拝される方、
大祓のお式のときにおくぐりになられる方が多い事と存じます。
くぐり方については、境内に説明看板が設置されているところは多いのですが、設置されていない所もあるようなので、不慣れな方は事前にくぐり方をご確認された方がよろしいかと存じます。
また、くぐり方につきましても、一部の神社様でことなる御作法もございますので、ご注意ください。
上のツイート動画を拝見いたしますと、
「くぐる前に『唱え言葉』をお唱えしてからくぐる」とのご案内がございます。
こちらの唱え言葉は多くの神社様でもご案内されておりまして、
私もこちらをお唱えてしてからおくぐりしておりますが、神社様によっては他にもお唱えする言葉もあったりしてことなる場合もございますので、ご参拝される神社様のご案内をご確認ください。
【唱え言葉】
「水無月の夏越の祓する人は 千歳の命 延ぶというなり」
ご参拝された神社様の境内に看板等のご案内がない場合は、
以下のご案内通りになされれば問題ないと思います。
最近になって気づいた事なのですが、おくぐりするときの足の運び方について説明がなされていないところもございまして、私は教わったことがなく、助勤先の神社様でもご案内されていなかったので意識したことがなかったのですが、友人に指摘されて調べてみますと、
① 「左に回る」ときは「左足」から
② 「右に回る」ときには「右足」から
③ 最後に通り抜けるときには「左足」から
が正式のようなので、私もこちらにならうように致しました。
また、調べている時に出会った「荒川三歩」さんのgooブログ記事
「東京の夏越の祓 茅の輪考」(平成28(2016)年7月3日付記事)
では、都内13社の神社様の茅の輪とくぐり方のご案内についての批評がなされておりました。とても興味深い記事でしたので、ご紹介いたします。
お話は以上となります。
さて、今年はどちらの和菓子店の水無月をいただきましょうか。
ご拝読ありがとうございました。拝