川畑秀明

慶應義塾大学文学部教授。博士(人間環境学)。専門は感性心理学(実験美学,神経美学,対人魅力・対人印象研究,抗加齢医学分野の心理学的研究,感性教育,鑑賞教育)。主に美とアートに関する心と脳の働き・仕組みについて研究しています。最近では美とアートの効用に関心を持っています。

川畑秀明

慶應義塾大学文学部教授。博士(人間環境学)。専門は感性心理学(実験美学,神経美学,対人魅力・対人印象研究,抗加齢医学分野の心理学的研究,感性教育,鑑賞教育)。主に美とアートに関する心と脳の働き・仕組みについて研究しています。最近では美とアートの効用に関心を持っています。

マガジン

  • 美意識と美の基準

    美意識と美の基準,パーソナリティとの関係について考えていきたいと思います。 当面は無料とし,コンテンツが増えたら有料化を考えます。

  • 美とアートの効用

    美やアートの心理学・医学/医療・教育,ビジネス/マーケティングへの効用について最近の研究知見を紹介し,将来的な可能性について議論・思考していきましょう。当面は無料マガジンとし,コンテンツが増えたら有料化を考えます。

最近の記事

美的感情とは何か?

こんにちは川畑秀明です。 今日はアートの見方,印象の持ち方に関する話をしたいと思います。アートの研究をしていると、私たちはアート作品を画面上に提示していろいろな印象を尋ねるなど,同じ作品を見ていても別の見方を強いることが度々あります。今回は、そこに生じる感情に焦点を当ててみます。 美的感情とは何か?絵画作品を見たり音楽を聴いたりして,皆さんはどのようなことを感じるでしょうか?もちろん,どのような作品かによって異なることはあるでしょう。ただ,そこに何かを感じる際,何らかの感

    • アートへの関心はパーソナリティから予測できるか?

      アートへの関心とパーソナリティの関係アートの好みや関心を規定するような,パーソナリティの特徴はあるのでしょうか? 2018年に発表された論文でイランの研究者,Afhami & Mohammadi-Zarghan (2018) は,パーソナリティの5因子特性,いわゆるビッグファイブの次元と美的判断の仕方,芸術作品への関心との関連を調べました。結論から言うと,5因子の中でも「経験への開放性」(Openness to Experience)が,高度な判断スタイルや芸術活動への関心と

      • 社会的処方としてのMuseotherapyは有効か?

        こんにちは川畑秀明です。 今関心を持って調べていることに「社会的処方」の現状があります。Google Scholarで日本語で "社会的処方"と検索してみると,2021年6月25日時点で58件がヒットしますが,その英語である"social prescribing"("social prescription"だとばかり思っていました)と検索してみると2970件がヒットします。日本ではまだそれほど使われていない言葉です。ただ、日本でもごく最近、社会的処方の実現に向けた政治的動きは

        • アートは飽きる?飽きさせない工夫について考える

          まずは,先日(2021年5月),私の研究室から発表された論文についての紹介を行います。 一般的な「アート疲労」効果はあるのか?実験室での繰り返しのアート鑑賞に関する異なるパラダイム、異文化比較に関する研究 Mikuni, J., Specker, E., Pelowski, M., Leder, H., & Kawabata, H. (2021). Is There a General “Art Fatigue” Effect? A Cross-Paradigm, Cros

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        • 美意識と美の基準
          2本
        • 美とアートの効用
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        記事

          今後の記事内容・仕事依頼について

          これから書いていきたいこと何を書いていきたいか,配信や公開をしていきたいか,というと ・アートや美の効用 ・コミュニケーションとしてのアートについての科学的理解 ・美意識や心の美の客観的な理解 あたりをテーマにして,それらの科学的な基盤(特に心理学,脳神経科学,生物学的な科学的知見を紹介したり,ロジカルに可能性として思考を展開していきたいと思っています。 その背景には,アートの効用について,特に心身の健康や教育的側面や,マーケティング上の効果等に関するエビデンスが示される

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          自己紹介

          私の専門は、美しさの感じ方やアートの鑑賞に関わる心と脳の働きを明らかにする「感性心理学」という分野です。これまで、アートを理解し、美しく感じ、他者の顔の身体に魅力を感じる心や脳の働きを中心に研究しています。 以下は川畑の略歴です。講師の紹介文などにご利用頂いて結構です。 経歴氏名:川畑秀明(かわばたひであき) 生年:1974年生まれ 現職:慶應義塾大学文学部 教授 経歴:九州大学大学院人間環境学研究科博士課程早期修了。博士(人間環境学)。日本学事振興会特別研究員、ロンドン大

          自己紹介

          はじめまして

          こんにちは。川畑秀明といいます。 慶應義塾大学文学部心理学専攻の教授として,感性心理学を専門に研究・教育を行っています。心理学・神経科学・芸術科学,さらには医学や健康分野との融合的研究や関連する教育・社会的活動を行っています。 美やアートに関わる心や脳の研究はこの20年ほどの間で急速に研究が進んできています。美にもアートにも、心や脳の複雑なその仕組みや働きが関係していることが分かっています。 また、アートの存在や美を感じることの意味についても考えたいと思い、最近では美意識や

          はじめまして