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【感性は本当に鈍るのか?】神秘が死んだ、と言うと懐古心の強い大人には耳触りがいいけれど、実際のところ現代には現代の神秘が生まれている。神秘だから大人には見えにくいだけ
懐古厨という言葉がある。昔を懐かしがるばかりで、現代に適応していない、燃え殻みたいな人間、というような意味の蔑称と認識している。かなしい名前だ。 そんなふうに言われてしまう人が、世界に確かに実在することはわかる。 彼らにとっては、黄金時代ともいうべき「昔」がどうしたってずっと一番で、それ以降、あのころを越える高揚に出会えていないのだろう。 神秘が死んだ、と言いたくなる気持ちに、共感もできる。 ただ実際には、神秘は死んでいない。今も違う形で現れている。 それも、次々と。数
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【小説を書く⑤】説得力を持たせづらいからといって、キャラクターの人格を修正する必要はない。むしろそのくらい難しい人格の方が、書ききったとき魅力的になる
読者の求めるキャラクターを書くのではない、と前回言った。 なら何を書くのか。自分の中から生まれるキャラクターを書く。 あくまで自分の中にある初期衝動は、大切にしなければならない。 肝要なのは、最初に生まれたものを、手癖でなく誠実に、一文字一文字の精度を上げながら執筆し、それを見返すなかで、「読者への説得力はあるか」を考えること。 見返していると、説得力がないな、と思うときもくる。 そのときにやることは、キャラクターを変えることではない。説得力がないから人格を修正する、はあ
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