岩手・気仙川 増水したらあえて簡単に流されるのが特徴の小さな橋
岩手県南部の清流・気仙川に、住民の人たちが手作業で架けた木製の橋があります。大雨などで増水すると、いさぎよく流されるように作られています。
住田町にある松日橋(まつびばし)という橋です。2023年夏にドライブしたついでに寄りました。
質素な橋です。付近の住民の生活用の橋として使われているようです。いったん流されても、部材がワイヤーで岸につながれているのでなくならず、水が引いたらたぐり寄せて再利用するそうです。江戸時代からあるんですって。
地元の新聞によると、今年3月に、3年ぶりに橋が流されました。「年に1〜2回は流される」のが普通なので、3年も流されなかったのは珍しいんですって。4月には住民らが復旧させたそうです。
橋を直した時の動画が、以下のリンクから見られます。こういうの見に行きたいなあ。 https://x.com/matsubibashi/status/1778965950563500335
そういえば四国の高知県に行くと、四万十川や仁淀川で「沈下橋」というのをよく見かけますね。増水すると水中に沈みますが、欄干などがないシンプルな形なので流されません。
岩手の松日橋といい、柔軟なやり方で増水をうまくやり過ごす先人の知恵を感じます。
松日橋の上流には「葉山めがね橋」というのがありました。
この橋は昭和6年にできたそうです。岩手で「めがね橋」というと、遠野市宮守町の鉄道橋が全国的に有名ですが、こちら住田町の小さなめがね橋も趣があります。水道橋になっています。
この水道橋は、いまも現役の農業用水路として使われているそうです。
いいですねえ、気仙川。逆に先ほどの松日橋から下流へと車を走らせると、住田町の中心部・世田米(せたまい)に着きます。
この辺りは川沿いに古い蔵も多いです。水運の物流拠点だったのでしょう。
気仙川、ほんとに水がきれいで羨ましいな。さらに下流に行くと、陸前高田の中心部で太平洋へと注ぎ込みます。河口付近にある「東日本大震災津波伝承館」も含めて、見どころの多い川でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?