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【想い】父を見送り、母を想い、今日を生きる
頭の片隅では誰もがわかっていると思う。
いつか、親を見送る日がくること。
私の場合、40代を迎える頃には少しずつ、覚悟のようなものが胸の奥に芽生え始めていた気がする。
国内とはいえ、気軽に顔を見に行ける距離に住んでいないからこそなおさら、会えるときに会いに行かなくてはと思うようになっていた。
もうすでに見送っている方もたくさんいるだろう。
いつそのときが訪れるのかは、誰にもわからない。
そして誰かを見送るだけでなく、自分も見送られる側になる。
誰もに必ず、その日は訪れる。
昨年、父を見送った。
まもなくちょうど一年だ。
今でもまだ、思い出すのはつらい。
私は普段、後悔することはほとんどない。だけど父に関しては後悔しかなく、自分の選択ミスを今でも悔やみ続けている。
父の最期に間に合わなかったことは、きっと一生、後悔し続けると思う。
今でもふと、蘇って涙が溢れる。
私があのとき選択を間違えなければ、最後に一目、父に会えたのにと。
父の病気
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