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無限の情報とは数学的にはゼロと同じある

きっかけ

先日、以下のツイートが流れてきた。
色々調べるとめちゃくちゃ深かったのでその真意を解説する。


無限と0の関係を数学的に考える

「無限の情報とは数学的にはゼロと同じである」

ふじわらまさひこさんのこの言葉、
無限とゼロが同じとはどういうことだろうか?

数学がバックグランドの私としては、真意が気になって
色々調べたら、以下のブログに解釈のヒントがあった。

数学という空想の世界では、0と1の間には、無限の分数を置けるのだから、分数を表す点には、大きさがあってはならない。線の上に置く数は、大きさ0(ゼロ)の点と考えるんだ。

引用元:『ゼロと無限の以外な関係』

ん?どういうこと? と思われる方が多いと思うので説明する。
まずは以下の図を見てほしい。

0と1の間の分数

引用元:単位分数と分数の性質

分数がたくさん並んでいるが、
ここで言いたいのは0と1の間にはたくさんの分数が存在するということだ。

上の図では0と1を10分割するまでだったが、
100分割、1000分割、10000分割 ...
とさらなる分割を考えてみれば0と1の間にたくさん分数が存在することは想像に難くない。

ではどの程度たくさんかというと、無限個だ。

これまで見たきた分数は有理数に相当するのだが、
分数(有理数)が無限個存在することの証明は割愛するので、興味がある方は以下のブログでイメージを掴んでほしい。

ちなみに、0と1の間に上で挙げたような分数がぎっしり詰まっていることを有理数の稠密性という。面白い概念なので興味がある方はヨビノリたくみ先生の動画を参考にしてほしい。

話を戻そう。

数学という空想の世界では、0と1の間には、無限の分数を置けるのだから、分数を表す点には、大きさがあってはならない。線の上に置く数は、大きさ0(ゼロ)の点と考えるんだ。

ここまでで、
「数学という空想の世界では、0と1の間には、無限の分数を置けるのだから、」の部分のイメージを持ってもらえたと思う。

残りの
「分数を表す点には、大きさがあってはならない。線の上に置く数は、大きさ0(ゼロ)の点と考えるんだ。」の部分だが

例えば、紙の上に1cmの長さの線を引いて、その線上にペンでできるだけたくさんの点を重ならないように打ってほしい。

1cmの線上ならせいぜい20〜30個程度の点を打つのが限界だと思われる。
これが点が大きさを持っている状態である。
点に大きさがあると無限個の点が打てないのである。

逆に考えると、(対偶を考えると、)
無限個の点が打てるなら点の大きさはゼロでなければならない。

これが「分数を表す点には、大きさがあってはならない。線の上に置く数は、大きさ0(ゼロ)の点と考えるんだ。」の部分の解釈である。

大きさ0(ゼロ)と言われても、直感的ではなく受け入れ難いかもしれないが、机上の学問である数学ではそのように考える。


「無限の情報とは数学的にはゼロと同じである」の真意

「無限の情報とは数学的にはゼロと同じである」

これまでの話を分数から情報に置き換えて考えると、
無限の情報とは、価値(大きさ)がゼロの情報を意味する。

言い換えると、

情報のインプット量が無限に近づくにつれて、インプットしている個々の情報の価値はゼロに近づく

ということである。

私の解釈だが、インプットした情報をアウトプットしたり、行動に変容させたりして、自らの血肉としていかない限り、情報の価値はゼロに等しくなる。

時間的制約の中で、無限の情報をインプットしていれば、アウトプットする機会は必然的になくなる。

だからこそ、最初に紹介したツイートでも触れられているが、
今日の情報社会では情報を選択する目(教養)を持つことが大事である。

したがって、
・自分の分野から最も離れた分野の本を読む
・哲学や文学などすぐには役立たない本を読む
・雑誌や新聞を読む
・アートを鑑賞する
などの方法で教養を高める努力をすることが大切だと、ふじわらまさひこさんは伝えたいのだと思う。


おわりに

「無限の情報とは数学的にはゼロと同じである」

この言葉の真意を理解したとき、対比が秀逸でかつシャープな表現だったので、さすが数学者と感動しました。
ここまで読んでもらえた方にはこの言葉の深さが伝わっていれば幸いです。
(引用が多くて申し訳ないです。)



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