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自分の強迫性障害の知識が誰かの役に立つなら本当に嬉しい

友人の甥が強迫性障害らしく、その相談を受けた。
その友人には、以前私が強迫性障害だということを話したことがあったのだ。
学生時代からの親しい友人なので打ち明けたのだが、悩みを打ち明けたというよりは、私の症状がかなり軽くなってきた頃に、実はこんな病気にかかっていて去年くらいまではかなり苦しかったんだよ、という感じで経験談を話した感じだ。

その話をしたのが確か5年くらい前のことだったが、今年久しぶりにその友人と会った時、「前にこういう病気の話をしていたよね?」と友人から質問された。
それでその友人の甥の話を聞かされたわけだ。

友人の甥っ子のエピソード

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甥っ子くんは今中学生なのだが、母親(私の友人の姉)が離婚したため実の父親とは離れており、再婚した新しい父親と暮らしていた。
家庭環境が何か影響したのかなどはよく分からないが、その生活が始まったころから手を長時間洗う症状が出始め、だんだんとそれがエスカレートしてまさに何時間も手を洗い続けるようになったという。

そしてそれが原因となって、一緒に暮らしている現在の父親との人間関係がうまく行かなくなり、父親からも母親からもめちゃくちゃ怒られまくって家にいられなくなった。
そして現在は母親の実家で祖母とふたりで暮らすことになったという。

自分も家族も強迫性障害を知らない苦しみ

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彼の両親や祖母は強迫性障害という病気のことを全く知らなかった。
家族はもちろん周りの人間が誰も知らなかったわけだ。
そのため、何時間も手を洗わずにはいられないというわけの分からない行動を理解できず、ただただ止めろと怒るばかり。

しかし本人はやめることができない。
本人もどうすればその不快感を消すことができるのか分からず、なぜこのように手を洗いたくなるのか、自分自身のことが理解できず、さぞや苦しかったことだろう。
本当に同情してしまう。

友人が私の話を覚えていてくれた

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彼が祖母の家に預けられることになった頃、この話を私の友人が聞いた。
詳しく聞いてみて、私の友人は、私から数年前に聞いた強迫性障害という病気のことを思い出したわけだ。

私は友人から話を聞いて、これは明らかに強迫性障害だと思うので、私の経験からできるアドバイスや、おすすめの書籍などを話した。おすすめの書籍は「書籍「図解 やさしくわかる強迫性障害」(ナツメ社)」である。
この本は本当に分かりやすくて詳しく書いてあるので、この病気のことを知らない人にはまずは読んでほしい内容だ。

正直、私は私の経験が誰かの役に立ったことが非常に嬉しかった。
その甥っ子くんの話で一番の問題なのは、言うまでもなく、誰もこの病気のことを知らないから、対処の方法を知らないということ。
彼には会ったことは無いが、もし私の経験が彼の今後の人生に役に立つようなら、私が経験した苦しみが少しでも無駄ではなかったと感じるのだ。

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