ヒットが打てないものを良い接客で売ってはいけない
*本記事は2023年9月29日にFacebookに投稿した記事の転載です
いよいよ完成形に近付きつつある神楽のドリンクメニュー。終に梅酒や焼酎もメニューから削除。生ビール系2種、ハイボール系2種、ほぼ、この4種のみ。
A 打率3割
B 打率0割5分
C打率0割0分
この中から、AAAAAAAAAとAだけ9人集めて打線を組んでもいいし、AAABBBCCCみたいに複合して打線を組んでもいい、という状況だとして、ほとんどの人がAだけで9人にすると思います。BとCは入れない方がいいと考えると思います。
野球で考えると当たり前なのに、しかし、多くの飲食店は、メニューラインナップという打線にBやCを入れる。みんな、もう、何も考えずか、何か考えたのか、いずれにせよ、メニューという打線にBやCを入れてる。習慣のマジック、集団心理のマジックとはかくもこわいものである。
賢者は論理に学び、愚者は経験に学ぶ。なんて言葉があるけど、この打線の話で言うとメニュー打線としてAだけの方が論理上は確かに理に適ってるけど、ほとんどの店ではBCを入れてる状況下で、かくいう自分も、なんだかんだBCを打線に組み込んできた。
そんな愚者の私でも、実際、店を運営する中で、これどう考えても、BCをはずした方が良いよなと経験が理論に追い付いてきて、結局、理論通りAだけで打線を組むことに。
何の話か?というと、飲食店に於いて、打率というのは、再来店率。
新規客が来ました=バッターボックスに入りました
その客が後日また来ました=ヒット
その客が後日また来ません=三振
こんな感じなんです。
だって、店開けてれば、それがどんな店であろうと、とりあえず、新規の客さんは来てくれるわけだから、新規客さんが来ることはヒットじゃなくて、打席に立ちました、という状況であって、再来店してもらえたらヒットなんですね。
じゃあ、梅酒や焼酎や日本酒がヒットを打てるのか?という打てない。ま、経験として、何年か店をやってみた結果として、梅酒や焼酎はヒットを打てない、打てたとしても打率0割5分ということが分かったわけで、分かった以上、これは打線に入れない方がいいということになるから、外すと。
梅酒とか焼酎とか瓶ビールとか瓶から注ぎますよ、という酒は、結局のところ、お客さんとしては「どこで飲んでも同じ、家で飲んでも同じ」というのがあるから、それを店で飲んだとして、「おー、この店すごい」とか「この酒を飲みたいから、他所ではなくまたこの店に来よう」とかは、ほぼならないということ。つまりヒットが打てない子たちということ。
で、ここで、この話について
『いやいや、それは違う、雰囲気とか、接客とか、店員の魅力とか、云々』という意見が出てくると思うのですが、、、これはヤバい考え方、、、というのが私の愚者の経験則で、それは後で思い返せば論理的に正論。
別に私は、店員の魅力とか接客がどうでもいい、とか言ってるわけじゃなくて、それは大事です。
この接客的な話を添えて話すとするなら、
⭕️ヒット打てるものを良い接客で
❌ヒット打てないものを良い接客で
が最も論理的に良いやり方なんです。
何かと言うと、接客が良いとヒット打てないような商品でもお客さんが"来てしまう"ことにより、リスクを抱えることになり、いずれリスクが表面化することで、大きなロスを引き起こすことになります。
例えば焼酎はヒットを打てない子ですよね。それを私が良い接客をして、その焼酎を飲んだ客さんに何度か足を運んでもらうとします。その人は、他所でも飲める家でも飲める酒をわざわざ齋藤のために来てやってるというのがベースにある中で通うわけですよね。一方、人間て完璧じゃないし、色々誤解も生じたりする中で、必ず、いずれ、粗相なり衝突なりも起きるわけです。その際、ヒット打てない商品で通ってもらってた人としては、超ムカつくという話になるんです。それでお別れと。で、お別れして、それまで積み上げた時間は全て無駄になると。まあ男女関係と同じですね。
だから、”ヒット打てないものを良い接客で売っちゃダメ”なんです。
売っちゃダメってことは、結局ヒット打てない子は絶対に要らないんです。
で、ヒットを打てるものを良い接客で売ってても、それだって人間完璧じゃないから、粗相なりが起きたりすることもありますよ、人間だもの、けど、商品の価値を認めてくれて来てくれてる人の場合は、多少のそうした行き違いが起きたとしても復旧に努めらる。まあ男女関係と同じですね。
ちなみに、本投稿で書いてることは、構造上、リピーターの重要性が高い地方都市になればなるほど顕著で、台北や東京みたいな大都市になればなるほど影響性は低い、と言うことになると思います。論理上(笑)