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再来店リピートしやすく常連さんになりやすい流入経路

*本記事は2024年7月8日にFacebookに投稿した記事の転載です

クイズの時間です。問題。次のうち『新規で来店した後、再来店リピートしやすく、常連さんになりやすい流入経路』はどれでしょう? ※なお「新規が多いではなく、新規がリピーターになりやすい」ということに注意して選びましょう。

A. 既存客の紹介クチコミ
B. InstagramなどのSNS
C. 何かしらのコミュニティ経由
D. ブログ記事
E. ◎◎おすすめ10選とかのリスト
F. Google Maps
G. その他

答えを発表する前に、そもそも飲食店においてリピーターが多いかどうかが超大事だということを一応解説。つまり飲食店は一生に一回とか数年に一回とかの買い物で何十万何百万を頂くタイプのビジネスではなく、一回数百とか数千を頂くビジネスのためリピートしてもらうリピーターが多くなければやっていけないビジネスだからです。(一部の強力な観光地とか、強力な駅前立地とかを除く)

今、仮に、(ア)新規客比率が高くてしょっちゅう満席の店と、(イ)しょっちゅうガラガラだけど常連さんのリピート比率がめっちゃ高い、こういう対極的な店があったとする。この際、一見すると前者(ア)が商売良さそうだけど、そんな事はなくて実は後者(イ)の方が良かったりする。特に中長期的には。というのも、結局のところ、商圏における人口と提供する側の店の数という需給バランスの問題があり、これは釣り堀の中にいる魚の数と、それをどれだけ釣るか、そして釣りすぎると終わる的な話で、(ア)はこの点で危ういから。

なので、需給バランスが思わしくない地域では、尚更のこと、リピーター数、リピート率が重要であり、そのためには「新規がリピーターになりやすい」ことが極めて重要となる。そして台湾では戸籍人口と実際人口が全く異なり、台中の場合、戸籍人口280万に対して実際人口100万未満という中に、その戸籍人口280万がいると思って出店してくる人たちがたくさんいるため需給バランスが非常に悪い(というか台北以外の全ての地域でほぼ需給関係が悪くなる)ので、なおさら「新規がリピーターになりやすい」ことの重要性は激増する。

一回来て二度と来ない新規客10人より何度も来る常連客1人を如何に集めるかが大事なのだ。

ということの大前提を念頭に置いた上で、冒頭クイズの回答は F. Google Maps となります。

ここで「え?」と思った方もいるかと思います。一見、A.常連客の紹介、B.インスタなどのSNS、C.コミュニティ経由の方が繋がりがある分、再来店とか起きそうな気もしますけど、この経路からリピートするケースは実は少ないのです。というのも、これは結局、既存客の誰かの紹介元があり、その人から誘われて行く人なわけですが、その人は決してうちの店が好きで来たわけではないのです。うちの店が好きなのはその既存客であり誘われてきた人は誘われてきただけなのです。なので次また来る可能性は低いです。

それに対してGoogleMap検索して来店するような人は、そもそもGoogleMapで色々な店を見て数ある選択肢の中から吟味して、店の写真も見たり、他のユーザーのレビューも見たりして、最終的に「私にはこの店が合いそうだな」と思って選択して来店するわけですから、「来てみたら実際に合った」となる可能性が当然高くなるわけです。で、合ったらリピートする確率は高くなります。

なので、Google Mapというのは、実は新規獲得に強いのでなくて、常連さん獲得に強いということになるわけですね。

で、需給バランスが悪い地域の飲食店は「満席を目指すより一人でも多くのリピーターを作ることの方が圧倒的に大事」なわけですから、これはもう、つまり集客に関して使える資源が100あるとしたら、もう90くらいGoogleMapに投入して、他は10くらいでいい。ほぼGoogleMapにほぼ全振りすべきというのが現時点の結論。

というわけで、方向性が決まれば、GoogleMapをより研究して、より有益な情報が充実して、より多く表示され、より上位表示され、よりタップされる、そのような施策を試行錯誤していく次第でしょう。

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