バレリーナはなぜ麦わらの一味の仲間に迎えられなかったのか?
※画像は©️尾田栄一郎 アニメ『ワンピース』より
以前、ワンピースの名シーンは「ボン・クレーの最期」だという記事を書いたわたしは、その後も折にふれてはそのことについて考えていました。
わたしにとって、何故そのシーンが特別であったのか、と。
ひとによっては、もっと別のシーンこそが泣ける名シーンだったりするわけですから。
その記事の詳細が気になるひとは、2月8日に書いた本から得た知識の価値は何冊読んだかではなく「どのくらい深く読んだか」で決まる。をご覧ください。
読まなくてもこの記事の内容には関係ありません。
さて、ボン・クレーのファンなら、一度くらいは考えてみたことがあると思うんですよね。
Q 一味の仲間に選ばれたのは何故フランキーで、ポン・クレーではなかったのか?
A ルフィが船大工を欲しがってたため。バレリーナは実用性で船大工に負けてしまったのでは?
こんな身もふたもない答えじゃ納得できません。なら、もしボンちゃんが無事に生き残っていたら一味の仲間になれたのか?について考えてみました。
もしもボン・クレーがインペルダウンで生き残っていたら?
その場合は、ボンちゃんVSフランキーで「イロモノ対決」的な展開があったのではないかと思われます。
船大工とバレリーナによる、いわゆる「オモシロ対決」ですね。
そんで勝ったほうを一味の仲間にした?
まさか!
そこはルフィだもの。
勝っても負けても、ルフィなら十中八九、ふたりともに「俺の仲間になれよ!」って言いますよね。
《心の声》の正論には目をつぶって、次へ行きましょう!次へ!
イロモノこそが正義?
わたしが元祖イロモノキャラだと思っていたウソップは、ルフィと決闘して一味を離脱し、そげキングを経て再び一味に戻ってきました。
そして、その後はオモシロ感もイロモノ感も薄れた気がするんですよね。
別の言い方をするなら、あの事件を機にウソップは「おとなになった」のだと思われます。
この後ウソップは、以前のようにつまらないことで船長のルフィと張り合うような真似はやめて、狙撃手としての腕と自分を磨き、明確な立ち位置や足場を固める方向へむかう決心をしたようです。
その成果は、ドレスローザでシュガーの狙撃を成功させたことで明らかになりました。
狙撃の腕前もだけど、「気づかなくていい。無事だったなら、構わず進め!」というルフィへのメッセージに、わたしはシビレました。
そして、成長したウソップに代わって、今度は新入りの“使えるイロモノ”のフランキー氏がその立ち位置を継承することに。
ポンちゃんが生きていて、ルフィが仲間にしたいと望むなら、やっぱりイロモノ対決が勃発?
バレリーナと船大工とは、きっとどこかで立ち位置をめぐって争うことになりそうな気がするんですよね。
うるさい《心の声》は無視無視!!次へ行きましょう!
そもそもボン・クレーがインペルダウンで生き残れた確率はどのくらいあったのか?
ならば一緒にインペルダウンを脱出して、マリンフォードでルフィをかばって、そこで最期を‥?
そんな悲しすぎる展開はイヤだ!
インペルダウン編では、船上のルフィには、あの場に残ったボンちゃんの最期は見えませんでしたからね。
もしもマリンフォードでエースとボンちゃんの2人ともにかばわれて、2人とも亡くしてたら‥‥もうローやジンベエじゃどうにも出来なかったでしょう。
ボン・クレーの生存がきびしい理由ならいくらでも出てくるので、もっと別の側面を見てみることにします。
インペルダウンで生き残れたのなら、マリンフォードでも生き残ってバギー組かクロコ組と一緒に脱出。で、のちにまたまた再会して今度こそ仲間になる?
じつは昨日の「理系の記事」を書きながら漠然と考えていたことがあります。
『ワンピース』にはイロモノキャラもたくさん出てくるんだけど、「ルフィが仲間にするキャラには決まった条件がある」みたいなんですよね。
つまり一味のメンバーには「特別な過去エピソードと、クルーとしての有能さ」が求められる気がするのです。
ボンちゃんの過去エピなら、あのバロックワークスNo.2ボン・クレーが誕生するまでには、いろんな物語があっただろうし、泣ける話もつくれそうです。
でも、ポンちゃんが有能な(理系の)クルーになれたかどうかはまた別のはなしなんですよね。
単純に海賊船のクルーとしての有能さだけで比較すると、バレリーナでは、逆立ちしたって船大工には勝てません。
ボン・クレーはイロモノキャラにしては戦闘能力が高めですが、同じイロモノでも船大工氏はサイボーグでロボですからね。
ぶっちゃけ最終的な選択肢は、両方とも仲間にするか、片方を選ぶかしかないわけです。
もしポン・クレーが選ばれれば、麦わらの一味に船大工はいなくなります。
そして、船大工がいたおかげで一味が得ていたメリットは全て消えてしまいますが、大丈夫でしょうか?
逆にフランキーが選ばれれば、ボンちゃんは筋書きどおりにインペルダウンで最期を迎えるしかなさそうです。
とどのつまり、どんな可能性を考えようとも、ボン・クレーとフランキーを同じ声優さんが演じているという部分に最初から答えがあったわけです。
ボンちゃんを生かしておくつもりなら、ジャンゴはともかくフランキーまで同じ声優にはしなかったのではないかと。
そして、ボンちゃんにも理系要素を付加していたのでは?
最初から一味加入が確定していた船大工に、ポンちゃんと同じ声優を採用したことで、その瞬間からボンちゃんはすでに瀕死の白鳥となっていたのでしょう。
悲しいはなしばかりになってしまったので、最後にひとつだけ明るい予想も書いておきます。
もしもボン・クレーが生き残って麦わらの一味に迎えられていたら?
今ごろは日本の『ワンピース』が世界に向けて主張していたかも?
“オカマオカマ”と連呼するのは、昨今の風潮ではどうかと思うけど、ジェンダー関連が盛り上がっている今だからこそ、麦わらの一味にボン・クレーが加入していることは大きな意味を持ったのではないでしょうか。
ただ原作連載時やアニメの放映時に、そんな未来を予測できたひとはまずいなかっただろうと思われますが。
「麦わらの一味は理系要素高め」という考察と、「もしもボンちゃんが生きていたら」の妄想記事は、前々からいつか書こうと思っていました。
とりあえず、アレコレ思っていたことはそこそこ書けたと思うので、今はそれで満足です。