第71回 オープンハウスの企画(2)
早速、ミニミニ蒲郡店で担当してくれているSさんに連絡を取ったところ、すぐに賛成してくれた。ただ、集客策としては近隣へのオープンハウスのチラシ配布程度を考えていたようだった。社員が手分けして回って配るイメージだった。しかし僕としては、それでは効果はないと考えた。近隣の住人で、ここを借りてくれそうな方はいそうもない。現地には募集看板も立っている。もし借りたい方がいれば、すでに何らかの方法で知って、ミニミニや僕の両親に問い合わせてきているのではないか。
僕は、ポスティングか新聞折り込みすることを提案した。ミニミニのSさんはそこまで考えていないようだったが、検討してくれることになった。当然、広告費も印刷費もかかる。僕はそれも負担してくれるように頼んだ。
後日、Sさんはある程度上司の了解を取ったとのことで、折り込む媒体とエリアを一緒に検討した。Sさんのリサーチによると、
・不動産売買チラシで取引のある広告代理店で、ポスティングも新聞折り込みも対応できる
・そこが対応する新聞は、地元で最大販売数を誇る中日新聞
・中日新聞への折り込みと、中日新聞を購読していない家にはポスティングすることで全世帯に配布可能
・世帯数は、(ミニミニ店舗のある)蒲郡市は25,100世帯、(物件のある)幸田町は11,000世帯
・配布料は一世帯当たり2.9円(税別)
・配布日は、第2&4金曜のみ
・3営業日前までに営業所にチラシが届いていればOK
それに対して、僕は以下の意見を返した。
・新聞は中日新聞だけでOK
・費用を抑えるためポスティングはせず、中日新聞購読世帯に絞る(このエリアであれば、どちらかといえば新聞購読世帯にターゲット層は多いとの仮説)
・その分、エリアを広げたい(お店のある蒲郡市で配布してもあまり効果はない気がした。そのあたりで賃貸への引っ越しを考えている方の多くは、既にこの店を訪れているだろう。あらたにチラシ配布を行うのであれば、これまであまりカバーしていないエリアの方が効果的との仮説)
・蒲郡市の代わりに、幸田町の北側の岡崎市に配布したらどうか。岡崎市の方が平均所得が高いのでターゲットとしては魅力的だ(2019年愛知県内の平均所得順位は、岡崎市10位、幸田町16位、蒲郡市42位)。
僕自身、地域特性をあまり理解していないし、また配布費用は負担していただくので、最終的に配布エリアはSさんの判断にお任せすることにした。そして6月末、配布は幸田町全域と岡崎市南部の26,150世帯との連絡があった。(見づらいが、黄色のエリアは上から、岡崎市、幸田町、蒲郡市で、岡崎市は赤丸のあるエリアのみ配布)
他にチラシの印刷費もかかる。A4片面カラー光沢紙極薄3万部で、ラスクルで見積もったところ約6.5万円だった。
ミニミニ蒲郡店では、売買物件の広告チラシ配布は常に行っているが、賃貸物件では行ったことはないそうだ。考えてみれば、そうだろう。賃貸物件では、広告出費の効果があり契約が決まったとしても、その賃貸契約からの利益額は、売買に比べ格段に小さいはずだ。そう気づいたら、Sさんが社内を説得する際、かなりの抵抗があることが想像できた。そこで、印刷費の半分は僕が負担することにした。
こうして、新聞折り込みは7月24日(金)とし、オープンハウスは栗原さんの都合にも合わせ、8月1日(土)と決めた。その日は偶然だが、AWAZUKU HOUSEが掲載される建築専門誌「新建築」8月号の発売日だ。
一般の方々向けの新聞折り込み用チラシとして、栗原さんに以下を作成してもらった。
また、栗原さんの設計事務所のHPで告知するのは以下だ。建築業界向けなので、設計思想が丁寧に書き込まれている。
オープンハウス当日は、新聞折り込みチラシを見た方と、設計事務所のHPを見た方の両方が訪れることになる。
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