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1990年5月 N響とサヴァリッシュとホフマンin神戸

【経緯とまとめ】
当時友人Kが大好きだったPeter Hofmannペーター・ホフマンが神戸に来てWolfgang Sawallischサヴァリッシュ指揮NHK交響楽団で歌う、ということで誘われて。Kからよく(特にドイツ・ワーグナー関連の)コンサート等に誘ってもらいあちこち出かけていたが、神戸は旅としても初めてだった。
音楽的にはド素人な私のざっくりとした旅路ともっとざっくりとしたコンサート覚書。

5月2日(水) 曇り
旅行日和である。
あっという間に(新幹線で)浜名湖も過ぎた。
指定席はぎゅーぎゅーに混んでいる。お弁当販売も来ない。
食堂車に昼ご飯を食べに行く。和風スパ930円。

関ケ原近く、田んぼのあぜに木が生えている。邪魔ではないのだろうか?

14:45 新神戸着。
山のすぐふもとにある、とてもユニークな駅。
近未来の田舎駅、とでもいうのか。
地下鉄で三宮へ。ひと駅先。

駅が三つくらい重なっているので、方向がよく分かんない。
Kが、ベルリンのZoo駅を何となく思い出すねー、と。
駅から南側にだんだんとゆるく下がっている。

ホテルモントレ神戸着。
一見中世っぽいが、やっぱりどこか「作られた」感じが抜けない。P・K・ディックの世界だー。特にティールームの十字架、おそろしいほどに形式的だった。
でもお部屋は広くて清潔で、くつろぐには十分。

中庭もある!

荷物を置いてから、街なかをぐるぐる歩く。
朝日新聞神戸支局(総局?実際どこなのか不明)のレトロさに感動する。
あと、太陽神戸三井がそんじょそこらにうじゃうじゃあってびっくり。
海に近づくにつれて、オフィス街がひらける。

で、神戸国際会館に赴く!


NHK交響楽団とサヴァリッシュという組み合わせは自分も聞いたことあったけど、ワーグナー歌劇ではヘルデンテノールのひとり、最近ではロックシンガーでもあったペーター・ホフマンが来日した、というのがかなり話題性あったような。
演目は次の通り。
リヒァルト・ワーグナー 歌劇『リエンツィ』序曲
同じく 楽劇『ワルキューレ』第1幕より、「冬の嵐は過ぎ去り」
同じく 楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第3幕より「朝はばら色に輝き」(優勝の歌)
同じく 歌劇『ローエングリン』より第3幕の序奏
同じく歌劇『ローエングリン』第3幕より、「はるかな国に」(グラールの物語)
ペーター・イリューチ・チャイコフスキー交響曲第5番 ホ短調 作品64

サヴァリッシュは淡々と職人芸的な指揮。左手の使い方が断定的でそこがまた面白い。

リエンツィ(Rienzi Overture)の初めの方のピッコロが音が下がっているような気がしてこちらがビクビクしていた。

ペーター・ホフマン、あまり調子がよくないという話を聞いていたが、かなり緊張していた様子で、表情は硬いイメージだった(私は実際に拝見したのは初めてだったけどね)。歌の語尾に余韻を持たせず、ぶっちぎりという感じも緊張の表れ? 
Kが後から、「散々だったみたい……」と。それでもようやく来日してくれてこうして歌ってくれたのはありがたい、と。
※ ずっと後から知ったが、この頃から体調がすぐれず数年後に引退、長く闘病生活を送っていたらしい。

一部と二部の合間に、Kの(バイロイト)旅仲間Hさんという方と会う。
Kとお互い、懐かしいですねー、と話が弾んでいた。

コンサートにじっくりどっぷりと浸って会場を出る。
キングアーサーという店で神戸牛?ステーキを頂く。
柔らかくて美味だった。お酒はせっかくなんでドイツの白Blue Nun。

途中でハムなど買ってホテルでまた、飲み直す。
ハムは二種類、ツンゲンヴルスト(赤いの)とゼリー寄せになったタン。

ツボルグとレーベンブロイとハム、NHK衛星第一で夜も更ける。

そうそう、風呂桶のゴム栓が球で可愛かった。

5月3日(木) どん曇り

ホテル内のサン・ミケーレで朝食。バイキングをお箸でいただく。
ホテル内、見れば見るほどディック的世界。ホテル自体のつくりが完璧すぎて、その割に細部にこだわりがない。表層的な何かの模倣なのだろうか、つまらない感じもする(一晩お世話になって何たる言い草! 文句多いのも愛なのか?)。

JRで三宮の次の駅、元町へ。ここもレトロなビルが多い。
神戸郵船ビルとか。

住友銀行とか。

アールデコっぽい照明

窓枠も素敵。

中華街に行く。以前行った事のある横浜よりは規模は小さいが食料品屋が面白い。
きくらげ、八角、胡椒、菊の花、青豆、カボチャの種など。
包みに使うのか、タケノコの皮とか。

スイカの缶詰とか、得体のしれない缶詰、瓶詰が所狭しと並べられている店もあった。だけどSSKの杏仁豆腐の缶詰とかもあってなごむ。

気になったが買う勇気がなかった

龍眼(リュウガン)という丸いなんか果物? 何だろう?
(後で知ったが、買ってみればよかったよ)

中華菓子を買った所、中国語と関西弁の入り乱れた会話が飛び交う中、ウーロン茶をごちそうになる。薄い色だが香りが高く、くどくなくて美味しい。
蛍焼きの白い小さな茶碗。1個150円で販売していた。

小さいブタマン。1個50円。脂がポタポタ落ちてくる。熱々で美味しかった。そしてもちろん、口の中をやけどした。

護衛もたくさんいたが、火傷は防げなかったよ…

メリケン波止場。小奇麗な突堤で海からの風をあびる。

警察のパトロール船?も通る。

波止場はメリケン・フェアなるものの準備をしていた。朝もまだ少し早いので、人はまばらだった。
ホテルオークラが唐突に立っている。広々とした場所だった。

13:47? ひかりで静岡に帰る。新大阪までは混みこみ!

京都。車窓より。霞んだ街の所々に黒く寺の屋根が沈んでいる。荒れた草地に岩が潜んでいるよう。

それでも雨に降られずに帰れた。
旅の反省会を地元の喫茶店にてケーキセット(ハイビスカス入りフルーツティーとケーキ)で行う。


おしまい




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