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2024.11.10 静岡県藤枝市・古民家ギャラリーこころ庵プレ展示「お花の模様の銘仙展」

ご縁があって、はるばる訪ねていく。
古民家ギャラリー・こころ庵。藤枝市瀬戸谷地区。
諸事情で日曜の10時から16時までしか開いていない、貴重なギャラリー。
新東名高速道路のほぼ真下という場にぽっかりと陽だまりのようにその民家は在った。

なんでも、元々の地主さんは新東名高速ができることで近隣に引越しされたのだが、建物があまりにも素敵だということで、建築をされている方がたが事務所にお借りしたらしい。そして、縁者の方が母屋をギャラリーとして開いたのだと。

中のつくりは一般的な農家らしい民家。玄関から土間に入り、左側には壁と襖で仕切られた田の字型の4部屋、土間の奥には台所、玄関側(南)には縁側、右側は事務所的にテーブルを置いていらっしゃった。

入ってすぐ左側の部屋
奥の間も少し見える

オーナーのお母様が作られた干支の吊るしびな、奥にかかっているのは多分大正から昭和の時代のあわせでは、と。
色柄がとてもモダンで、赤、白、緑の中に描かれているのはなんとモミの木と教会!

土間沿いの奥の部屋には銘仙の説明書きがあった。へえ、全然知らなかったよ…
更に袷と単衣ひとえとの違いも教えていただく。ざっくりとは、裏地がついてるかいないか、なのだって。

奥に見える台所も素敵。

ずらりと花柄の銘仙が並ぶ。華やかで温かみある世界だな。
どこか懐かしいというのか。

こちらも斬新な色とモダンな柄。濃紺の地に赤い文様。
空を飛んでいるのはトナカイたち。

オーナーの80過ぎのお母様が作ったという編みぐるみもずらりと並んでいた。ひとりひとりに表情があって、見つめられるともうたまらん!

所せましと様々な手作り品が並んでいるのも見どころ。真ん中に映っている手つき箱は、駄目になった籐篭に一閑いっかん張りの方法を使って張り直し、表を花柄の紙で飾ったのだと。
かなり手間がかかりましたよ~と爽やかに笑うオーナーさん、何かとすごいものづくりのパワーを感じたよ。

昔、子どもの成長を祈念して着物の背中に簡単な図案の刺繍をしたんですよ、という話もお聞きした。「背まもり」というのだそうで、このパッチワークは多くの方が作った背守りを一枚に合わせたものなのだそうだ。人が人を大切に思うパワーをいただいた気がした。

また、オーナーさんがいっしょに暮していた猫どんとの『共同作品』も展示されていた。猫がガリガリと爪とぎした段ボール板に、クレヨンで絵を描いたという絵が素晴らしい。

今はなき猫さんの思い出を残そうと、古くなった靴下やハギレで作ったというこちらの猫さんも、とても愛らしかった。

ありとあらゆる場所に懐かしさ、新しさを同時に感じ、手作りの暖かさととてつもないパワーを感じ、心がふわんふわんに充電された、とびっきりのひとときだった。

おっと銘仙展は本当は12月かららしいが、すでに飾り付けをしたとのお話。運がよければ日曜の10時から16時まで、温故知新のパワースポットに、あなたも入り込めるかも。

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