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真のリーダーは誰だ : 破

 『真のリーダーは誰だ : 序』で綴ったように、今回往訪した食品加工業の問題・課題は色々ありそうだ。私が見立てた以外にも社員から業務に対する改善の声が上がっているという。素晴らしい。この芽を潰してはいけない。当社の社長の想いも同じだった。
 我々を工場に案内してくれた方も、今までにやってみたことなどを車の中で話してくれた。「幾つか製造業向け生産管理などのパッケージベンダーに問い合わせてお話聞いてみたりかなり本気で検討したんですが、どうも弊社に合うものがなかったんですよ...」この方だけでなく他の方とも議論したり、業務改善の素地はかなりありそうだと思った。「在庫管理のあたりが特にうまくいくように思えなくて」彼は続けた。
「そうなんですよ、在庫管理は会社さんによって管理粒度が違ったり、顧客毎にも変えないといけないなどもあって、パッケージを入れたから解決する、っていうのは実はとても難しいんですよ。導入してそのまま使えるパッケージはないと思ったほうがいいです」私は更に続けた。「今の業務がいいのか含めて業務の設計を先ず優先したほうがいいと思います。IT化はそれからです」すると彼もしみじみと返す「やはり...そうですよね。システム入れたから業務が改善されるという魔法みたいなことはないんですよね....」
 苦労してきただけに言葉にも重みがある。本気度を感じる。
ITドックを通して、社長はじめ10人ほどの方々とお話することが出来た。皆さんプロの顔をしている。こちらもなんとかしたい気持ちが高まっていく。ITドックの報告会ではITコスト面、ITインフラや組織の観点などの診断は勿論、ITを解決策に活用する業務改善の提案に主眼を置いた。
 生産管理に使っているシステムの老朽化の対応が急務だったので、こちらの優先度を上げ、大型モニターやタブレットで生産計画や生産状況の見える化を行い、ベテランのノウハウを今のうちにシステムに落とし込んでいくのが我々の案だった。この提案は飲まれるのか否か。当社は検討に入った。

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