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余白珈琲


余白を持つって…

銀座にあるその店は、
夜は会員制のバーで、
昼間は不定期で営業する珈琲店。
店名は『余白珈琲』

珈琲好きの店主がその日に選んだ珈琲は、
タンザニア・イドゥンダ。
キリマンジャロの良い豆。

『透明感と甘みのある、ミルクチョコレートのような
コクと余韻のある味なんですよ』

展主がゆっくりと豆を挽いて、適温の湯を流していく。
カウンターだけの店内に、珈琲のいい香りが広がる。

店主のいつも微笑んでいる目元がさらに優しくゆるんで、
極上の一杯を差し出してくれる。

一口飲むと
『おいしい~⤴️』って言葉がこぼれる。

この日、同席したのは、
3歳の男の子の若いママさんと、
子育てが終わった先輩ママさんたち。
話題は子育てをしながら、
自分の仕事のキャリアをいかに磨いていくかとの体験講座になり。
女性は子育てや家庭のことなど、
何役もこなしながらのキャリアアップは、
「心身ともに消耗して過酷だよね…」
とため息が漏れる。
夫や周囲の協力なくしては、日常生活もままらない⁉️
なんて話しをしながら、珈琲を飲み干す。

するといつの間に合にか、
違う豆で淹れた珈琲が新しいカップに注がれる。
2杯目は、グァテマラ・ダーク
『苦味と甘味のバランスの取れた立体的な味で、
 苦味はあるけど、苦すぎない。
そして、飲み終わったあとに口の中が甘いんですよ』

“人生にはいろいろあるけど、
肩の力を抜いて余白を持つことも大事ですよね”
そんなセリフが店主の顔を見てたら、
聞こえたような気がした。

おいしい珈琲とたおやかな時間。
余白珈琲。
一息つきにまた、行こう🎵






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