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痛くない歯医者なんてあるわけがない
思えば、わたしの歯はだいぶぞんざいに扱われてた。
歯に関する記憶の中で一番古いのは小学生時代で、当時歯磨きと言えばサッと歯の表面をなでるだけだったし、何なら1日1回磨いていたかも怪しいレベルで。
そもそも衛生観念的がどうなってんだって話なんですが、お風呂だって、1日や2日スキップしていたような気がするし、シャンプーに至っては3日に1度くらいの頻度だったような気がする。
それが当たり前だと思っていたし、家族も何も言わなかったからみんなそんなもんだべーと思っていた。
ろくに歯磨きしない割には歯のトラブルもなく、学校に行って帰ってきて、狂ったように自宅の周りを自転車で爆走し、屋根とバレーボールをするなどして平和に毎日を過ごしていた。
しかし、Xデーは突然やってくる。
ある日、わたしは嬉々として大好物のふがしを食べていた。
「モロッ」
え・・・・・?????
突如、歯が崩れたのである。
えーーーーーーーーー・・・
おかあさああああああああああん!!!
ふがしに歯を破壊され焦ったわたしは、母親に付き添われて歯医者に駆け込んだ。それまで歯医者で治療したことがなく、軽い気持ちで治療台に座り大口を開けたわたしであったが、それがもう驚くほど痛いのである。
特にドリルみたいな細い針金を入れたり出したりがめちゃくちゃ痛い。
それ麻酔してやる処置でないべか。
なんなら先生の手が滑って関係ない歯茎に刺さってた。
まぁ、それが歯根管治療なるものだと知ったのはだいぶ後のお話になるわけですが、ドリル針金を入れるたびに「ヒッ」と声にならない声がでて、背中にはびっしょり汗。目じりにはうっすら涙。
完全にトラウマとなったわたしは、以降しばらく歯医者の門をくぐることはありませんでした。
時はだいぶ過ぎ24歳。
社会人2年目の冬、職場の飲み会。
そりゃ転びますよ。
路面が凍結した日に酔っぱらってふらふら外歩いてたら前歯の1本や2本折れます。教科書にも書いてあったでしょうに。
その日は夢かと思って眠りにつきましたが、翌日夢じゃなかったことが分かり、背中を丸めしぶしぶ歯医者の門をくぐりました。
先生に開口一番「酔っぱらって転んだ?えらい!!!」とほめられて治療がスタートしたわけですが、やっぱりものすごく痛い。
歯医者が進歩していないのか私が進歩していないのか・・・
目を白黒させていたら応急処置の治療は終わっていたわけですが、依然としてぽっかり前歯が欠けているわけです。
歯っ欠けとなりアホの子の様相を呈した私に先生が一言、
「差し歯を作るには1~2週間かかるからね。仮歯は次の予約で型を取ってその次くらいにできるかな」なんて言うわけですね。
「先生明日から仕事なんですけど・・・なんかネットとかでは数日で仮歯できるって書いてt」
「うんでもまあ時間かかるから ^^」
それからしばらく、あまり物言わずマスクをして過ごしていました。
あまり物言わないせいで職場ではうっすら彼氏からのDV疑惑が浮上してましたね。
そして、DV疑惑が人々の興味を誘わなくなった頃、やっとこ差し歯が完成し、また歯医者に通わない日々が続き37歳の現在に至るのでした。
そしてたった今気付いたわけです。
これって#いい歯のためにっていうテーマの投稿ではなかったか、と。
13年ぶりに歯医者を予約してみました。
予約日は12月24日。クリスマス。
いつも行っていた町内の歯医者じゃなくて、町外に新しくできたできるだけ痛みを感じない治療が売りの歯医者を予約しました。
痛くない歯医者なんて絶対ないんだけど、痛いに決まってるんだけど、今まで優しくできなかったわたしの歯に、プラスの連鎖が起こりますように。