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「便利」という感覚に麻痺して違和感を抱くことを忘れないために

NEC未来創造会議で取り組んでいる「多世代共育」。人生100年時代、多世代が共生する未来社会。多世代が共生するからこそ大切になるのが学び合い。学び合うことでお互いの価値観を認め合いながら、大人たちは旧来の価値観に固執せず、健全にUnlearningしていく。学び合いとはLearningとUnlerning。


テクノロジーの進化と共に失ってしまった感覚

2020年度からスタートした東京女子学園さんでの授業。NEC未来創造会議で得た知見を高校生たちに伝えると同時に僕らが高校生からも学んでいます。現在の当たり前が未来の当たり前ではない。COVID-19でもNew Normalが話題になるように当たり前(Normal)は変わり続ける。変わり続ける中で新たに発見することもあれば、失ってしまうこともある。

東京女子学園の生徒と学び合う中で印象に残っているのが「人は時間を大切にしない生き物になってしまったんですね」という高校生の一言。
現在と未来の当たり前の違いを説明しようと駅での待ち合わせの仕方を伝えた時のエピソード。ケータイがない時代は「○○時に□□駅の北口改札」と細かく指定して待ち合わせ。相手が時間どおりに来ない時には確認する術がなく、駅の伝言板にメッセージを残すことはできるものの心配しながら待ち続けていた。ケータイの普及と共に待ち合わせ時間に遅れても連絡ができるため、待ち合わせが容易になったことを伝えたところ、高校生からは上述のように「便利になった反面、人は時間を大切にしない生き物になってしまったんですね」と悲しそうな表情をしながら言われ、僕らは、待たせている相手を思いやる気持ち、有限な時間を大切に過ごすという気持ちを失ってしまったんだと気付かされました。

テクノロジーの進化で急激に変わる生活様式。急激に変わるにも関わらず、「便利」という感覚に麻痺して違和感を抱くことを忘れてしまっている私たち…。


未来に対する感度を高めるために

日々の生活への感度を高めるためには、能動的であっても受動的であっても常に「意識する」ことが大切。偶然が必然のように思えるセレンディピティも偶然と思える出来事を意識して記憶しているからこそ、偶然と偶然が重なり合って、あたかも必然のように感じるということ。意識していなければ見過ごしてしまってセレンディピティは起きない。
では、どのように意識するか?一つの道標が「わくわくエンジン」。無気力だと日常を意識することはないけど、わくわくする好奇心を抱くことで日々の生活への感度が高まる。こすぎの大学で出会い、こすぎの大学で先生役としても登壇していただいたキーパーソン21 朝山あつこさんとNEC未来創造会議で「学びの未来」をテーマにクロストークイベントを開催。朝山さんからは「わくわくエンジン」の中でも特に「動詞的わくわく」が大切とのメッセージがありました。

自分で決めたことならたとえ苦しくても自分でがんばれるはず。だから本当は全部子どもの中に答えがあるんですよね。既存の枠に子どもを入れ込むのではなく、枠を超えて伸びやかに未来をつくる人を育てること。枠を超えたわくわくを生むこと。そのために、わたしたちは子どもたちが自分のわくわくエンジンを見つけ出せるプログラムを開発してきました。わくわくにも「名詞的」「形容詞的」「動詞的」とさまざまな種類があって、なかでもわたしたちは動詞的なものが大事だと考えています。たとえば野球にわくわくするといっても、戦略を立てることが好きな子もいれば、チームに貢献することが好きな子もいるし、練習の積み重ねで成長を感じることが好きな子もいる。どんな行動=動詞にわくわくできるかわかると、職業に囚われず生きていけるし可能性も広がるはずです。単に好きなもの=名詞にとどまるのではなくて、わくわくする動詞を発見してエンジンを動かすことで子どもも一歩踏み出し経験を積んで育っていくはず。

https://future.nec/activity/article/01/index.html


50歳を間近に控えてUnlearningし、Learningし続けるために

人生100年時代、現在、49歳。来年は中間地点の50歳。歳を重ねるごとに経験に裏付けられた考え(価値観)が醸成されると共に、その考えに固執しようとする自分がいます。これからも色々な出会いや経験を通じて自分のわくわくを見つけ、同時にわくわくを原動力(エンジン)にしながら色々な経験を積み重ねることで、これまで培ってきた考えを健全にUnlearningして新しい考えをLearningしていきます。
Unlearning / Learningするために、わくわくを見つけて活動していくために、枠の中にとどまらず、僕の人生二毛作目のきっかけでもある「Thinking out of the box.」を忘れずに越境と共創をし続けるようにします。


2021年も残すところ僅か。一年を振り返りながら新年に向けた豊富も含めて考えていたことを書きました。

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岡本克彦(オカポン)
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