マガジンのカバー画像

my小説

4
運営しているクリエイター

#恋愛短編小説

自意識過剰小説 3 夏至

カラスがなにやらくちばしで転がしているので、なんだろうと思って見るとそれは硬直した鳩の死骸だった。カラスにあちこち齧られている。信号待ちの通勤する人たちはよそでやってくれ、というように見ないふりをしている。カラスはお構いなしに、頭を上下させて初夏の朝日に熱せられたアスファルトに細い血管を引きずり出した。みんなが揃って顔を背けるのは、今朝も清潔なシャツやスーツに押し込めてきた色々なものが刺激されそう

もっとみる