TM NETWORK FANKSが語る 欲しかった音楽機材特集
今回は当時、TMの情報を追いながらどのように機材を考えて行ったかを書きたいと思います。
シングル、KISS YOUが出た後にTVで武道館ライブを含めた、TMの特集がありました。
1時間ぐらいの内容で、録画をして、本当に30回以上は見たと思います。
そびえ立つキーボードタワー。キーボードが主役を担っているライブでしたが今思えば、小室哲哉でした。
バンド全体の演奏もうまかったです。
キーボード(DX-7FD)が3台というビジュアルでもう完全にノックアウトでした。奥もDX-7ですね。
当時、ギターが目立っていたバンドが多く売れている中、シンセサイザーがコントロールされた世界は音楽の新しい見せ方だと思いました。
ソニーさん!このアングルで出してください。絶対売れます。
パソコンとキーボードで音楽が作れるかもしれないと思った時に、ある記事を見つけました。
当時はインターネットもなく、周りにキーボードをしている人もいない中、情報はキーボードマガジン等の雑誌でした。
わからないまま読み進めながら、どうやってパソコンと繋げるのかが徐々にわかってきました。
どうも、midi という規格で音の情報を送り、シンセがコントロールされているようだ。得られた情報はこれぐらいです。
しかし、どうもこのシステムは演奏を自動演奏をしてくれるような感じではなく音色を作るためという感じがしました。
実際の画面も音色制作用です。
そのころは、大学に入ったらバイトしてキーボードを買うということを中心に生活(?)してましたので、現実的にパソコンでどうやって、音楽を作れるのか?ということが頭にありました。
カモンミュージックの画面を電気屋で確認すると、どうも譜面が読めないと打ち込めないのではないか?と思いました。
また数値で長さ調整をするようで、実施に弾けないと難し感じ、現実的にはできないかもしれない。
しかし音楽が作りたい。
できたらリアルタイムでたどたどしく弾いて、それが修正できるようなものはないか?と思うようになりました。
しかし残念ながら、TVでの情報はありません。
やはりマニアックな内容になりますので、放送自体されてません。
そのまま数ヶ月が過ぎて、ある雑誌の広告に出会います。ネット検索なんて全くない時代、こういった広告が情報の全てでした。
これでレコーディングができるというセットが出てきた。そう思いました。
内容は、
❶まずカセットテープに記録できる
この価格で4トラックですよ。今ならお買い得のパソコンを買ってでDAWまでインストールできますね。
凡人が天才に変わる、プロスペックデジタルステーションというキャッチフレーズでした。アマチュアアナログステーション。当時はプロとは使うものが違うという明確な差はありました。
❷意外と結構音は良かった、ミニ鍵盤のDX100
キャッチフレーズは驚異の192音色
❸リズムマシーン RX21
❹シーケンサー(自動演奏) QX21
シーケンサーが弾いたものを修正したり、音を重ねていけると知りました。
この機材は買わなくてよかったかもしてません、なんとシーケンサー2トラックしか記憶できません。
しかし貯金もない中、時は経っていきます。
そして、とうとうオールインワンの橋がけとなる商品が出ます。
それがYAMAHA EOSでした。
当時DX-7が248000円でしたから、なかなか買えませんが、この機種は128000円でしたので、TMもTVなどで登場して、シンプルに欲しいと思いました。
このパンフレットは穴が開くぐらい見てました。
どうもこの1台で曲が作れるかもしれない。
楽器屋さんに見に行ってdemoを聴きました。何か足りないな、と思ったら、ドラムが入っていないのいうことがわかりました。
デザインでは欲しいものの、ドラムマシーンを買うお金はありませんでしたし、内蔵モデルが出るのではないかと思いました。
大学に入った時キーボードマガジンを見ていて、広告に新製品が載っていました。
それがYAMAHA V50でした。
EOSよりDX7に近い
そして、ドラムマシーン内蔵で、8トラック本体で録音できて、さらにフロッピーディスクに曲データーが保存できるといった当時考えていた理想が全て入っていたシンセでした。
さらにFM音源でDXと同じ、音源はEOSと同じだという。
EOSが欲しかったが、やはり最終的には機能がスタジオっぽいV50の方が後々使いやすいと思った。
夏にバイトで秋に買いました。137000円でした。
音楽はコピーからはいったのではなく、いきなり曲を作っていったのが最初です。曲をコピーしたのは3年ぐらい経ってからでした。
コードも弾けない、わからない、両手で弾けない、全くゼロの状態から曲と作ってある程度弾けるようになるのですから、好きならなんとでもなります。
V50は本当にお気に入りでした。テープレスで8トラ鳴らせますので、当時は画期的でした。
しかし数年後にやられた!と思うシンセが出ます。
EOS B500です。
ステージでも使ってる。これを買えばTMのような音楽が作れる。当時はそう思っていたから欲しかったですね。
音源もサンプリング音源が入ってきてAFMという進化を遂げていた頃ですし、何よりスピーカー付きが羨ましかったです。
もう時効ですが、YAMAHAもこれだけイメージキャラクターであたかもライブで多用していると思いましたが、正直EOSの音源は本当に鳴ってないと思います。まさにMIDIキーボードでした。今から考えれば、イメージ戦略ですね。
私の推測ですが、エンソニックのVFXの音が結構鳴っていましたね。ブラスは間違いなくこれだと思います。
今回は少しマニアックですが、TMを機材で入った個人的な話でした。
恐らくですが、このような遍歴でEOSではなくV50を買った人は多いと思います。
しかし、対バンしてもEOSでライブしている人は今まで1回も遭遇してないですね。
EOSは小室さんしか合わないかも。
私も01/w Z1 TRITON extreamでライブはやってました。
バンドで音を出す場合はこの辺りの音でないとパワーがついてこなかったです。
EOSは家庭用な感じです。あれだけEOS押しでプロモしても代名詞はJD800ピアノだったりします。
EOSではあの53番ピアノは到底なりませんでした。
大人の事情ですね。
そう考えたら、今のソフトシンセは幸せです。
シンセを当時やっていた人にとってはほとんど夢が叶った状態です。
あとはいい音楽を作るだけですね。
これからもがんばって心に響く音を作っていきたいと思います。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
最後に私の現在の最新作を添付しておきます。音源はLogic ProX内蔵のソフトシンセです。それをMIDIキーボードで入力しています。よろしかったら聞いてください。
bandcamp版です。