「ドラァグクイーン,活動制限!?」新科目公共から学ぶ探究のトビラ(23)
人間社会では,必ず意見や考え方が対立します。解のない問題や課題が現代社会では増え続け,これからはコミュニケーションを通じた共に納得できる解を見いだす姿勢や態度がますます求められます。中高社会科教員経験のある大学教員です。生徒や学生たちとの授業実践,互いの根拠や意味を問い合う対話による探究活動を紹介します。諸学校での授業活用はもちろん,理解しやすい身近な題材にしていますから,友人同士や家族団らんで語り合ってみてはいかがでしょうか。
ドラァグクイーンとは⁉
ドラァグクイーンとは,ゲイ(男性同性愛者)などが派手なメイクと女装で,ステージ上で歌ったり,踊ったりするパフォーマーのことです。欧米などではメジャーな存在ですが,日本でも浸透しつつあります。トランスジェンダーのような多様な性が知られていますが,そのような人々に多いようです。
LGBTQの人々の人権拡大に貢献
レズやゲイ,バイセクシャル,トランスジェンダーなど多様な性に属する人々は,マイノリティ(少数者)として,差別や権利の制限を受けることがありました。そんな人々の人権拡大に貢献してきたとされるのが,ドラァグクイーンの人々と評されることがあります。
ドラァグクイーン規制の動き
アメリカ・テネシー州では,2023年3月2日,法律でドラァグクイーンのパフォーマンスを禁止することとなった。このほか,16州でも何らかの形で規制をする法案が提出されているということです。
日本からどう見るべきか?
アメリカは,日本に比べて性的指向にオープンで,先進的だと考えていなかったでしょうか。しかし,そのアメリカでも,特に地方へ行くと保守的な風潮が強くなるようです。私たちのいる日本から,ドラァグクイーンが女装する権利をめぐる争いをどう見るべきか考えたいですね。
探究とは…
①自分で課題を見いだす
②解のない問いと向き合う
③人としての在り方生き方を追究する
④他者と共に望ましい社会形成に参画する