◆オーディトリー・ニューロパシー(121):4年と4ヶ月半たった
・補聴器を卒業して人工内耳者になってから4年、両耳人工内耳になってから4ヶ月半たった。できること、できないこと、道具を使えばできること、チャレンジできそうなことがだんだん見えてきた気がする。
・自分の声は「ヘリウムガス吸った声」ほどではないが、アニメ声のような、高めに変換された感じにいまだ聞こえる。他人の声はだんだんとその人本来の声に近づいている気がする。ラジオかなんかで昔の歌謡曲が聞こえてくると当時の聞こえ方と近くなっている感じ。ラジオで「TOKIO」を間隔かけて2回聞いたんだが、だんだんジュリーぽくなっていってる(笑
・自分の声で難しいのはボリュームのコントロールである。人工内耳のボリューム目いっぱい(1-10の10)にすると自分の声が聞こえすぎる。自然と自分がうるさくないよう抑えて喋るためか「もっと声を張って」と何度か指摘された。授業とか落語とか自分が声張って喋る必要があるときはボリュームを3くらいに落としてから喋るようにした。効果があるのか不明。
・声量に加えてもうひとつ自分で認識が難しいのは滑舌である。どれだけ悪くなっているのかわからない。「音声認識アプリでどれだけ正しく認識されるか」を指標のひとつにしているが、最近認識技術が格段によくなって多少滑舌が悪くても正しく認識されるようになってしまった。落語稽古のときなどに率直なところを聞いてみたい。
・先日、両耳人工内耳になってからTOEICをしさしぶりに受験。障害者用サポートなしで他の受験者とまったく同様の状態で受験したら、リスニングは得点が1パーセンタイルというすばらしすぎる成績をおさめてしまった。下から1パーセントである。いらい、ほぼ毎日何かしら英語の動画を見たり音声を聞くようにしてきたが、すこしずつ単語が聞きとれるようになってきた。4−6語程度の超短いセンテンスはクリアな音声なら聞き取れるように。このあとどれだけ伸びしろがあるかわからんが「前わからなかったのにわかるようになった」という体験が楽しい。
・ちなみに人工内耳を外すと人の声がほぼわからなくなる。片耳人工内耳のときよりそのギャップが大きくなった。物音とか環境音は少し分かるが。眼鏡と同じで起きてるときはほぼつけっぱなし。いや寝ているときもか。はずすのはお風呂のときだけ。「人の声だけわからない世界」に放り出されるのがおそろしいので、あまりはずさないようにしているのだった。
2024年11月21日