システム開発の仕事がサービス業っぽくなってきた
僕はシステム開発の仕事に携わって16年ほど経つのですが、サービス業的な側面が強まっていると感じてます。
昔から公的な書類などでは「サービス業」として分類されることが多かったのですが、実際にその通りだと最近は感じています。
システム開発といえば「ものづくり」なので「製造業じゃない?」と思っていたのですが、今はサービスを提供する側面が非常に大きくなっています。
ニーズの変化
システム開発は、もともと「製造業」としての側面が強く、製品を一から作り上げるという感覚がありました。
しかし、近年は「顧客が求めるものを提供する」という意味で、コンサルティングのようなサービス業の色合いが濃くなってきました。
これは、クラウドサービスやSaaS(Software as a Service)の普及、AIの進化などが大きく影響していると考えられます。
例えば、Webサービスの構築ならAWS(Amazon Web Services)、大容量データの管理ならトレジャーデータ、ECサイトの立ち上げにはBaseなど、さまざまなサービスが登場し、圧倒的に実装量が減りました。
「車輪の再開発」を避け続けた結果、そもそもシステムを作らない方が良いという結論に至ることもあり、よりシステム開発の製造要素が薄まってきています。
実際に僕の元に来るクライアントの要望も変化しています。
「現在使っているSaaSが不便だから改善したい」「既存のサービスと類似した独自のサービスを作りたい」などのオーダーが増えています。
これらは、すでにあるサービスやAPIを組み合わせることが多く、ゼロから開発するケースは減少しています。
時には「このSaaSで実現できることが60%なので、ビジネスの初期フェーズではこのSaaSとLINE、スプレッドシートを組み合わせて進めませんか?」といった提案をすることもあります。
ホスピタリティの重要性
製造業としての要素が削られていくと「サービス業」としての側面が相対的に強まってきます。
なのでこれからのシステム開発では「ホスピタリティ」がより求められます。
顧客の要望を理解し、それに応えるサービス精神こそがシステム開発で最も重要な要素となってきています。
陳列マシンや物運びマシンといった単純な機械のような働き方ではなく、本質的な「サービス業」を経験している人たちが、エンジニアに転職したら上手くいく可能性が高いと感じています。
「無口で無愛想だけどコーディングはやたら早い」みたいなエンジニアはどんどんオールドタイプになってホスピタリティの高い、サービス精神のある人が優秀とされていくんだと思います。
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