点で見ると失敗に見えても線で見ると成功だったりする

先日うちの役員と飲みに行った時の話です。彼から「あの時のあのプロジェクト失敗してすいません」という言葉が出ました。
「あのプロジェクト」とは、7,8年前に立ち上げたスマホのソーシャルゲームの自社サービスのことなのですが、彼はそのプロジェクトが赤字で終わったことに対して、申し訳ないと感じていたようです。

僕はそのプロジェクトを完全に「成功した」と思っていたので驚きました。
確かに数字上では若干の赤字だったかもしれませんが、あのプロジェクトから得たものや価値はたくさんありました。

「成功した」要素

僕の中で「成功した」と思った要素は下記です。

  • スマホのソーシャルゲームという零細IT企業にとっては挑戦のハードルが高い分野に挑戦することができました。

  • 開発開始から半年以内にローンチ、黒字転換、月売上を200万円近くまで持っていけた。

  • 今も活躍している優秀な社員がこのプロジェクトの存在も一つの要因で入社してくれました。

  • 自社サービスが企業ブランドを高める効果をもたらしました。

  • これらを100万円程度の初期投資で自己資本のみで実現できました。

当時の僕はエンジニアとしてのスキルはあったものの、経営者や事業家としては未熟でした。
今考えればマーケティング戦略や資本政策などができていればもっと成果を出すことができたと思います。
それでもこの成果を出せたことは、間違いなく大成功だと言えます。

そもそも点で成功なんて中々できない

そういう意味でいうと線で見て失敗してることは一つもないんですよね。。。
少なくとも「学び」が今を支えているし、「学び」を除いたとしても思い浮かぶ本物の失敗は13年間で3つくらいです。

一方、点で成功してることもそうそうないです。
事業なんて最初に始めたことから小さい失敗に気づき、ひたすらピボットを繰り返していき、後ろを振り向けば小さい失敗の山があって、開始当初は思いもよらなかったところで利益を出したり、会社の成長になったりの連続です。
逆にこの点も、あの点もほとんど成功してるよーなんて人いるのかなって思うくらいです。

今回の気づきと反省

今回の話から学んだことは、メンバーは担当する「点」に集中するあまり、全体としての「線」としての成功には気づきづらいということです。
経営者としては、これまでの実績や未来の事業戦略をもって、社員と共に「線」で物事を捉えていく必要があると痛感しました。

ある程度の会社としてのストーリーが頭にインプットされていないとどう言う風に線で結びつけられるかもわかりにくいです。
経営者としては会社のこれまでの実績やこれからの事業戦略をストーリーを持って、線で語らないといけないなと思いました。

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