Katsurao AIR アーティストインタビュー vol.7 大川友希さん(前編)
アーティストが葛尾村に滞在してリサーチや制作を行うアーティスト・イン・レジデンス・プログラム「Katsurao AIR(カツラオエアー)」。2024年10~11月のあいだ、3名のアーティストが葛尾村に滞在し、それぞれの視点から制作に取り組んでいます。11月21日(木)から24日(日)の4日間は、葛尾村内にて、制作過程を公開するオープンスタジオ形式での活動報告会を実施いたします。
本稿では、滞在アーティスト 大川友希さんのインタビューをお届けします。(聞き手:Katsurao Collective 阪本健吾)
OKAWA Yuki
大川 友希
[主な展示歴]
2013「一幕見」TENGAIGALLERY (東京)
2014新宿クリエイターズフェスタ(東京)
2016「Blue Bird森の向こう-愛知県立芸術大学50周年記念」(愛知)
2023「FUTURE TO-DAY今日という未来」ホテル三日月 (千葉)
[芸術祭]
2013越後妻有アートプロジェクト「大地を包む-繊維からの再考-」(新潟)
2020 Chiba Art Festival 2020千葉県立美術館(千葉)
2021奥能登国際芸術祭2020+スズシアターミュージアム(石川)
2022瀬戸内国際芸術祭2022女木島名店街(香川)
[個展]
2013「祭」TENGAIGALLERY (東京)
2015「繋」布文化と浮世絵の美術館(東京)
2017「close yet far」hpgrpGALLERYTOKYO新宿ルミネ(東京)
2018「MEMORY」OssamGallery(NY)
[Main exhibition history]
2013 “One Act” TENGAI GALLERY (Tokyo)
2014 “nowadays” Gallery Earthstudio Tom&Jerry (Tokyo)
2014 Shinjuku Creators Festa 2014 Shinjuku Mitsui Building (Tokyo)
2016 “Beyond the Blue Bird Forest – Aichi Prefectural University of Arts 50th Anniversary” (Aichi)
2018 “Output Art Put” fu-tenHotel (Tokyo)
2020 “Industrial Materials and Handmade Objects” Gallery MUMON (Tokyo)
2023 “FUTURE TO-DAY Today’s future” Ryugujo Hotel Mikazuki (Chiba)
[Art Festival]
2013 Echigo-Tsumari Art Project “Wrapping the Earth” Exhibition – Rethinking from Textile (Niigata)
2020 Chiba Art Festival 2020 Chiba Prefectural Museum of Art (Chiba)
2021 Oku-Noto International Art Festival 2020 + Suzu Theater Museum (Ishikawa)
2022 Setouchi Triennale 2022 Megijima Meitengai (Kagawa)
[Solo exhibition]
2013 “Festival” TENGAIGALLERY (Tokyo)
2015 “Tsunagi” Amuse Museum (Tokyo)
2016 “close yet far” hpgrpGALLERYTOKYO Shinjuku Lumine (Tokyo)
2018 “MEMORY” Ossam Gallery (NY)
●Awards
2012 Aichi Prefectural University of Arts Graduation/Completion Exhibition Sculpture Department Special Award
2015 TOKYO DESIGN WEEK ASIA AWARDS 2014 Finalist
2018 Konishi Bond Contest Special Award
(阪本)このインタビューは、ポッドキャスト(インターネットラジオ)の収録も兼ねているのですが、本日はなんと公開収録です。葛尾村を飛び出して、福島市・福島駅前 吾妻通りにやってきました!福島駅前ほこみち社会実験WEEK「さんかくストリート」が、収録している本日、2024年10月19日(土)から27日(日)まで開催されています。
お店の前の歩道にもテラス席を出すことができたり、キッチンカーが集まっていたり、さまざまな催しが行われております。今回はその初日の午前中に、福島市のデザインユニット・FRIDAY SCREENさんのビニールハウス型KIOSK「Hi there!」をお借りして収録をしております!ゲストは、葛尾村に滞在中のアーティスト、大川友希さんです。
(大川)よろしくお願いします!
(阪本)葛尾村を飛び出して福島市までやってきましたが、過去には福島市に来たことはありますか?
(大川)同じ福島県の川俣町にL’ANIT(ラニット)というニットブランドを手掛ける高橋彩水(たかはし・あやみ)さんという方がいらっしゃるのですが、そのL’ANITが川俣町で実施しているペーニャというお祭りに行ったことがあります。その際に、ついでにいろいろ回りたいなと思って見つけたのが、福島市にある「UFOふれあい館」でした。
(阪本)川俣町は葛尾村と福島市のちょうど中間にあります。「UFOふれあい館」も、葛尾村からここまでの道中にありますよね。
(大川)福島市飯野町の千貫森ではUFOが目撃されるということで、雑誌『ムー』にも取り上げられていたりしているんですよね。とてもおもしろかったです(笑)
(阪本)UFOと紐づいている地域というのは珍しいですよね(笑)しかし、なぜ川俣町のお祭りにいらっしゃったのでしょうか?
(大川)元々、高橋さんとは東京デザイナーズウィークというイベントでお会いしたのがきっかけでした。私自身が古着を使って作品をつくるので、扱っている素材も近いし、お互いに駆け出しの時期だったので、一緒に頑張ろうねって声を掛け合っていたんです。
以前、私が瀬戸内国際芸術祭に作品を出した時は、高橋さんにワークショップをお願いしたこともありました。
(阪本)なんでも、Katsurao Collectiveのことを知っていただいたのも、高橋さんが紹介してくださったとか。
(大川)はい。私、福島弁が好きで。
(阪本)おっ。急ですね。福島弁が好き?
(大川)人懐っこい感じがしますよね。流れというか、音が好きなんです。おばあちゃんちが福島県いわき市にありまして、だからか、聞いていると懐かしい感じがして。
高橋さんも川俣町を拠点に活動されていますし、いつか福島で滞在制作してみたいと思っていたんです。
そんなとき、高橋さんがSNSにKatsurao Collectiveのことを投稿していて、それを見て葛尾村で滞在制作ができることを知りました。これは!と思って応募しましたね。
それから、Katsurao AIR 滞在アーティストの募集要項を読んで、作品を出すというよりは、制作する過程にきちんと価値を見出していらっしゃるのではないかと感じました。単にものを納品するだけではなくて、地域で活動することそのものを大事にしているように思えたんです。
(阪本)はい。そう思ってもらえるように要項を作っています。
(大川)やっぱり!
応募した頃はちょうど、この日までにつくらなきゃという思考になりがちで、何がどうなって自分は作品をつくっているのか、という過程の部分を見失いそうになっているかもしれないと感じていたんです。私のこれまでの作品はビジュアルのインパクトが強めなので、無意識にその方向に向かっていたりとか。
(阪本)福島に行きたいなと思ってくださっていて、しかもプログラムの内容もいまの大川さんの状態とマッチしていたんですね。いいタイミングで出会えてよかったです。
(大川)おかげさまで、すばらしい体験をさせていただいて、楽しい滞在になっています。
(阪本)それは何よりです!葛尾村での滞在は収録日現在で10日間ほどですが、探究したいポイントは出てきましたか?
(大川)10月12日に、葛尾三匹獅子舞の日山神社奉納に立ち合いました。小さい頃からお祭りが好きで、この三匹獅子舞のことを調べ続けています。
(阪本)大川さんは千葉県木更津市のご出身ですよね。
(大川)はい。やっさいもっさいというお祭りが地元にあるのですが、私の代は子どもの人数が足りなくて、出るのではなく見る側でした。だから、前から羨ましいなと思っていて、お祭りがあると気になるんです。
(阪本)私は葛尾村に住んで3年目なのですが、三匹獅子舞の奉納は今年ひさしぶりに復活したんですよね。先日の日山神社奉納には行けなかったので羨ましいです。見たかったな……。
(大川)ダンスは難しくないけどキュートで、とてもよかったですよ。でも、ちょっと真似して踊ってみたら、とてもキツかったです。(笑)
日山の山頂に神社があるので、あれを登って、踊って、そして降りるというのは、かなり体力が必要なのではないかと思います。でも、舞い手のみなさんは爽やかな感じで、そんなにキツくなさそうでした。それにも驚きましたね。
(阪本)大川さんの過去の作品は、布や古着を使ったカラフルなものが多いですが、今回もこれまでのスタイルは踏襲していくのでしょうか?
(大川)まだわからないですが、新しいことも考えてみたいなと思っています。
(阪本)つまり、「こんな作品が見れるんだ」と思って11月末に葛尾村での活動報告会にお越しいただいても、その期待は裏切られる可能性があるわけですね。
(大川)期待には、基本的に応えません!(笑)
……というのは言い過ぎですが、あまのじゃくなところはあります。ただ、どう転んでも共通点は見出せるはずですし、そうありたいと思っています。
(阪本)どんな報告になるのか楽しみです!
後編へつづく
アーティストインレジデンスプログラム「Katsurao AIR」
本インタビューの完全版を、各種リスニングサービス および note音声投稿にて配信中です。
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