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【かつらのお話:型書き】

前回木枠に張ったチュールに、人毛を植え付ける下拵えとして、型を書いていきます。

前回枠に張ったチュールと刳を写し取った型紙

こんにちは京都時代劇かつらです。

今回は俳優さんに合わせて取った刳を台紙に写し取る【型書き】のお話です。

頭合わせの時点で、顔立ちや役柄に合わせて和紙で刳(クリ:生え際)を取りました。

台紙に刳の型を置き、丸みや凹凸のある顔に馴染むよう加減しながら平面の台紙に写し取っていきます。

型の中心をまっすぐ亀甲に合わせる
枠に張ったチュールの目が重要になってくる。

かつらの丸みにあわせて直にチュールを置き、人毛を植え付けていく方法もありますが、関西の映画のかつら屋さんは枠に張った平面のチュールに植え付ける方法が多いです。

このように関東と関西で方法や呼称が違うのは世の中結構あることで、

鰹出汁昆布出汁、角モチ丸モチ、帯の関東巻き関西巻き、帯の仕立て方、襦袢の関東仕立て関西仕立てなどなど。

呼称で言えば昔、アホバカ分布図なる調査が、
探偵!ナイトスクープでありました。

どこでアホとバカの呼称が変わるのか。全国に調査の範囲を広げ壮大なる分布図を完成させていました。

後にギャラクシー選奨を受賞する程の研究。

複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ、様々な謎や疑問を徹底的に究明する、探偵!ナイトスクープ

まさに関西が誇る番組です。

さて、1月から始まりました大河ドラマ
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』
江戸の後期を舞台に、蔦屋重三郎の生涯を描きます。

今作の大河はとにかく髪型が凄い。浮世絵から出てきたような様々な髪型が男女問わず見られます。

どうしても娯楽時代劇では画一的になってしまう男性の髪型が、今回は一味違います。月代の広さも髷の太さもバラエティー豊かで、それでいて違和感がほとんどありません。
見ていて飽きず、今回はどんな髪型が登場するのかワクワクしてしまいます。

そして遂に先週、あの【疫病本多】が登場しました。
時代劇では目にすることのない、大変珍しい髪型です。

疫病本多についてもコラム書いています⬇️

地毛で髷を結われている皆さんにインタビューしています⬇️

【疫病本多】と言えば、昨年夏にお世話になったまげメガネさんが、地毛で再現されている髪型。

まげメガネさんの地髪月代【疫病本多】もぜひご覧下さいませ!⬇️


次回もどうぞお楽しみに。


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