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大長編ドラえもん「のび太の宇宙開拓史」に学ぶ、複数の顔を持つ強み

突然ですが、ドラえもんの長編で「のび太の宇宙開拓史」というお話があるのをご存知でしょうか。

現実の世界では活躍できないのび太。
しかし、遠い宇宙の「コーヤコーヤ星」では、重力が小さいので、地球では非力なのび太も「スーパーマン」として大活躍します。

私が小学生のころ、大長編ドラえもんシリーズとして、映画館で見て感銘を受け、単行本が出た後も何度も読みました。
自分が学校でクラスに馴染めない時、のび太みたいに、どこかで活躍できる新しい場所は無いかな、と羨ましく思ったことを昨日のことのように思い出します。

まるで「スーパーマンのび太」

自分が所属するコミュニティで存在感が発揮できない時に、別のコミュニティでは皆からの信頼を受けてリーダー的な存在として活躍する、といった事例はよくあることで、私にも経験があります。

高校生の時、自分の学校の部活は人間関係が悪く、運営が大変でした。
しかし、別の高校との交流で、クラブが発足したばかりの学校にアドバイザーとしてお手伝いに行くことになりました。その時には、お手伝い先の学校で、私の持つ知識や経験が活き、部員の増加や活動内容の改善につなげることができました。この時、冒頭の大長編ドラえもんを思い出し、まるで「スーパーマンのび太」やないかい、と自分にツッコミを入れたことを覚えています。
何より、人間関係が良好で、行くだけで楽しかったのです。お手伝い先の学校の友人は同学年ということもあり、とてもウマが合い、卒業後も友人付き合いができるような人たちでした。
この人間関係の良さは、自分の高校にも活かせると考え、その後の部内の人間関係の改善のきっかけとなりました。

その後、社会人になり、全国的なITコミュニティの運営にも参画した時期があります。仕事で学んだことを、このコミュニティで応用して喜んでもらい、またコミュニティで出会った先輩に仕事の相談をすることができ、相乗効果が得られました。仕事の他にボランティアで活動するのは、時には大変な労力を伴い、プライベートの時間が削られることもありました。
しかし、そこでしか出会えない人たちとの対話や、その後の人生に活かせる様々な学びを得られたことも多く、結果的に大変有意義な時期を過ごすことができたと感じています。

ウィーク・タイズなのかもしれない

Aがうまくいかなくても、Bがうまくいくことがある。
そのようなバランスのもとで、人は生きていくのだろうと思います。
全てが全て上手くいく、または上手くいかないということは実は少ないのではないかと思うわけです。

近年、「ウィーク・タイズ」(ゆるいつながり)と言う言葉を耳にします。
振り返ると、私にとってのウィーク・タイズは、上記のような、お手伝い先の学校やITコミュニティと私の関係性のことを指しているのではないかと思うようになりました。
そして、私の立ち位置は「スーパーマンのび太」ではないか、と。

ウイーク・タイズのタイズ(TIES)とは「絆」のことであり、親しく、近しくはないけれども、絆というくらいなので、ある程度信頼が必要な間柄だと言えます。
ウィーク・タイズの逆は「ストロング・タイズ」(強いつながり)ですが、家族や所属する会社など、身近な人と強い人間関係を築きつつ、社外や別ジャンルの人との集まりに所属して、年に何回とか、定期的に会うゆるい関係を大切にすることで、自分の新たな一面を磨くことができるのではないかと思います。

仮に、学校のクラスであまりなじめなくても、別の場所で信頼を得て幸せに暮らせたら、十分に人生のバランスをとっていけるという考え方です。
これは、私にとっては勇気を与えてくれる考え方でした。
株式投資のポートフォリオにも似て、1つの銘柄でマイナスが出ても、別の銘柄で補えば良いという考え方であり、浮き沈みのある人生の荒波を乗り越えるうえで、「複数の顔を持つことは強みになる」ということを、「のび太の宇宙開拓史」に学んだのでした。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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