年をとっても、動けなくなっても。
もうトシだから。
自分にはチャレンジできない。
ついつい、愚痴ってしまう気持ちもわかります。
そんなこと言うな!というお説教ではなく、爽やかに「年を重ねる喜びがある」と語る人は、格好良い大人だなと思います。
そんなお一人が、谷垣禎一さん。
谷垣さんは政治家として第一線で活躍中の2016年に、自転車事故で頸髄を損傷し、重度の障害を負い、6年経った今も、リハビリに励んでおられます。
頸髄損傷に、リハビリ。
私が3月以降の4ヶ月間、最も口にした言葉のツートップです。
母が頸髄損傷になったときに、谷垣さんのリハビリの様子を書かれた記事や、トレーニング動画を拝見して、「こんなにアクティブになれる人もいるんだ!」と励みになりました。
政治にまつわる観点は一旦脇においといて、谷垣さんの生き方や考え方について書かれた新しい特集記事が公開されました。身近な家族がリハビリに励む私にとって、とても興味深い内容の記事でした。
今まで当たり前にできていたことが、急に出来なくなる。
この事実を受け入れるのは、本当につらく、苦しいことだと思います。
つらい現実に抗うのではなく、静かに受け入れて、自分を生かせる道や、楽しみを探し、取り組む。
年をとること、身体が思うように動かないことは、人生にある種の絶望感をもたらしますが、谷垣さんの言葉には、絶望の「ぜ」の字も見当たりません。
季節のうつろい。
自分はどれだけ感じられているだろうか?と疑問に思います。
日々の忙しさにかまけて、私は、自分の感受性の感度を下げていたような気がします。
年をとっても、動けなくなっても。
日本の四季の素晴らしさを、あらためて知る。
心一つの置きどころで、物事の見方が180度変わるということを、谷垣さんは爽やかに示してくださっているように思います。
生きる知恵とは、谷垣さんのように、「おもしろき事なき世をおもしろく生きる」ことができる考え方なんだな、と。
谷垣さんの「生きる姿勢」を、母がリハビリに懸命に励む姿に重ね、母もきっと、家族にも言えないような様々な葛藤を乗り越え、今に至るんだろうなぁ、と思うと、熱いものが込み上げてきました。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。