#16 ウユニの旅で入った素直スイッチとその後【ボリビアの旅】

【前回までのあらすじ:2013年。35歳ヒモ男がバツ2となりホームレスに。行くあてもなく向かった先は成功している先輩経営者a.k.aアニキ。人生相談すると世界一周の旅に放り出されることに。】

 ウユニ塩湖の旅をした仲間と安宿に戻り、撮った写真を見せ合って交換したりして、最後は別れの集合写真撮影へと続いた。

35歳バツ2のおっさんが大学生や若者とフラットに混じれる最高の環境が、旅

僕は次の目的地へ一足先に出発するので、皆んなといそいそFacebookの情報などを交換していると、なんだかザワザワしてきた。

ん?あれ。。。なんだ、なんだ?これなんだ?

肋骨の内側あたりに【何か】が通り過ぎた。そして、その【何か】はきちんと中央辺りにとどまって、僕の胸を波打った。なんだっけ?この感じ。


「会えてマジで良かった。色々とありがとう。」


「僕もです。本当に楽しかったっす。」


・・・。

あ、この感触思い出した。胸が締め付けられるって表現するんだった。


あ、ほっぺの上の方に何か違和感を感じる。標高のせいかな?

あ、これ、泣きそうなんだ。

何でだろ?

たかだか一緒に列車の墓場へ行っただけ。

たかだか一緒に汚い食堂で不味いご飯を食べただけ。

たかだか数時間一緒にウユニ塩湖を見ただけ。

たかだか、、、、、

それなのに、この感じの答え。それが

僕らは共有してしまったのだ。非日常の空間である旅の途中に、感動の時間と楽しい時間を。

共にしっかり一生の思い出を作ってしまったのだ。だから、彼らとの別れが辛かった。

本当は知っていた。僕は2度の離婚で「別れが辛くなる原因」を知っていた。

それは、一緒にいた時間の長さが別れを辛くするのではなく、一緒に体感し、共感し、共有した思い出の深さが別れを辛くしてしまうのだ。

その共有した思い出の鮮やかさが、別れの辛さに比例してしまう。

それにしても、まさかこの数時間でこの感情が騒ぎ立つとは驚いた。

 今こうしてブログに落としこむことで、植物を鑑賞するかのように客観視できているけど、この時は本当に泣きそうで胸が痛かったし、9年近く経った今でも思い出すと痛くなる。

 翌日、僕がラパスに戻るバスに乗り込むと、彼らが見送りに来てくれた。旅は、こういう辛い別れるが毎回続くのか。。
 よく、一人旅が好きな人がいる。彼らってもしかしたら、胸が弱くて、この痛みから逃れるために1人で旅をしているのかもしれない。

 夜出発のラパスに戻るオンボロバスが走り出した。なかなか寝つけないのは悪路のせいでもバスのリクライニングが利かないせいでもない。

 その時、なぜか旅に出て初めて音楽でも聴こうと思った。日本では、UKや USのロックを聴く僕。日本のポップ曲なんてお恥ずかしいぜ。というスタンスだが実はこっそりスマホには日本のメジャー曲が入っていたりした。

 イヤホンを耳につっこみ、いつもはあまり聞かない日本人バンドの曲を何気なしに流した、その瞬間、


スパッッ!!


突然、涙腺が切られた。


 まだAメロなのに涙がこみあげてくる。Bメロ。やめてやめて。涙が頬をつたう。周りの乗客にバレないようにニット帽を深くかぶった。


もうサビまで持たない。僕は思い切り涙を流した。

あ、俺。やっと。やっとだ。やっと、受け入れ体制が整ったんだ。俺、自然体で、純粋な気持ちで、物事を見れて、聴けて、話せて、感じれるんだ。

感傷的になってるんじゃない。興奮しているんじゃない。他人も関係ない。自分に素直になれた瞬間だった。

いつ、どこで、なにが僕をそのように変化させたかは分からないけど、僕の素直スイッチをポチッと押したのは、まさかの日本人バンドのあの曲だった。

人それぞれ音楽に趣向があるから、そのバンド名はあえて書かないけど、これから僕のことを呼ぶ時は

Mr.カツオren と呼んで頂けると光栄である。

当時の僕は、望んでいた自分とは完全に違っていて、ずっと自分の歩んできた道のどこに間違いがあるかを探していた。あれもこれも思い通りにならない。状況は悪くなるばかり。

でも旅を通して人と触れ合ったことがキッカケになったのか、そこから行く道を真剣に考えはじめたのだ。

素直スイッチが入った瞬間、この旅が僕の何かを確実に変えていくと確信した。今まで水彩画だった僕の旅が油絵のようにゴテゴテしていった。 2Dから3Dに変わるような感覚だった。

〜〜〜〜〜〜

ラパスの街に戻るとそこは相変わらず坂道や段差だらけで、世界一バリアフリーから遠く相変わらず標高が高くて息苦しくて貧しそうな人が道端に座り込んでお金をせびってきて、子供は学校に行かずにウロウロしていて、女性がいつも赤ちゃん抱いて働いていて、インディヘナのオバちゃんは可愛い格好して駄菓子屋にいた。

多くの旅人と会って。話して。飲んで。それまで僕の心を表現していた価値観に見たこともない色が重なっていく。

その中で特に色をぐちゃぐちゃにされたのが

自己肯定感。 

自己肯定感とは簡単にいうと、自分を愛して大事にするという気持ち。自分には、これが出来るんだ。あれが得意なんだ。

という評価。

もちろん、この評価は他人が自分につける点数ではなく、自己採点制。配分も得点数も全部自分でお好きにどうぞ。しかしこの自己評価。高ければ高いほど良いとか悪いとかではないと思う。ただ、それは自分が自分をどれだけ認めているかの基準。

さて、ありのままの自分を評価してみよう。


他人は関係ない。

他人は基準ではない。

他人は点数を付けられない。

自分が自信をもてるとこ。

自分の最も好きなとこ。

自分が得意とすること。

自分で満足しているとこ。


まずは己を知るんだ。徹底的に。


〜〜〜〜〜〜

あれから9年。自分のことを少しは分かってきたけど、まだまだ自分を活かしてないし、自分を生ききれていない。悔しい。

もっともっと素直に。スイッチがバカになるぐらいカチカチ入れちまおう。

俺は俺でいいし、
君は君でいい。

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note頑張って更新します!目標は週2,3回、、、、【旅の準備→世界一周→起業→会社売却】までを気長にまとめようと思います。面白いと思った方はnoteまたはTwitterをフォローいただければ幸いです。

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ホームレスになったヒモ男、世界一周したら小金持ちになった話。

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