#13 なんでもいい。「1位」になるということ【ボリビアの旅】

【前回までのあらすじ:2013年。35歳ヒモ男がバツ2となりホームレスに。行くあてもなく向かった先は成功している先輩経営者a.k.aアニキ。人生相談すると世界一周の旅に放り出されることに。南米に到着し街で出会った元・人気ブロガーK君との旅が始まった】 

2013年3月3日  日曜日

 偶然ラパスの道端で出会ったK君と、ウユニ塩湖行きのチケットを取りにバスターミナルへいく。
*現在ウユニ塩湖近くに飛行場ができたため楽にアクセスできるらしいが当時は夜行バスで12時間かかった。

 バスに慣れていない僕に12時間の深夜バスは過酷だったし(この先も慣れる事はないのだけど)、K君も乗り物に弱いという事で(2人とも旅するなよ)、通常のバスの2倍の値段だが230ボリ(約3800円)でリクライニングできるバスを運行しているトドツアーというバス会社の情報を得た。旅人の噂によると他のバスはリクライニングの角度が20度ぐらいだがドドツアーは45度以上倒れる最新型らしい(笑)。それだけ話題になるようなバスだったため大変人気との事で、用意周到な僕らは前日の朝イチでチケット確保をしようと窓口に向かうと、


休みであったーー。


まず調査すべきはリクライニングの角度ではなく定休日だった。仕方なく出発当日の朝に再度チケットを買うか、ほかのバス会社をチェックしようとターミナル内をウロウロしていると今晩ウユニへ出発のD君とIさんという日本人旅人と出会った。彼らはフィリピンの語学学校で知り合り、男女で旅をしているとのこと。

 ここで、K君。いつもの陽気なノリで、
「今から泥棒市に行くんですが一緒に行きましょうよ!」と誘うではないか。

 【泥棒市場】とは不名誉な名称だが、実際に明らかに盗まれてきたものであろう商品を中心に、そこらじゅうで拾ったらしきゴミレベルのモノや、もちろん仕入れられているモノも売られている、なんでもありの市場だが、基本ゴミが積まれていると思っていただいて良い。

知り合って数分であるが、彼らも快諾。さすが旅人だ。こう見えて人見知りな僕には出来ない芸当であるが、実際こういう観光は皆で行った方が圧倒的に楽しいのだ。

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旅人は次から次へと露天のものを食べているが、何故そんなに平気なの?お腹壊さないか心配な僕は生で通常食べるフルーツにさえもビビっていた。

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泥棒市では、冷えるウユニ塩湖で着用するための上着を約140円で購入。ランチでは不味いスープを飲む(50円ぐらい)。味の良し悪しよりも、出来るだけ加熱したものを食べたい。
 
 僕とK君は16時から現地のプロレスを見に行く予定だったし、男女の旅人は夜発のバスに間に合わせるため一旦ラパスに戻るとのことで「ウユニ塩湖でまた会えたら!」と、ここで別れることになった。

 すると、何やら不安げな表情の2人。事情を聞くと、財布にラパスの街までのバス代が残っていないとのこと。と言っても100円くらいなのだが(笑)

なんていうギリギリな旅人!!

 ただ、旅中こういうことはよくあると思う。水臭いじゃないか!たった今、リアル臭い飯を食べた仲。僕は彼らに20ボリ(約270円)を手渡した。

 めっちゃ喜ぶ彼ら。D君にいたっては半べそ状態でお礼しまくりだった。いいんだよ、いいんだよ。分かっているよね?遠慮無く僕のエピソードを今後の旅先で皆に広めてね。むしろ僕が自分で広めるよ。20ボリで得られる好印象。ありがとう。

彼らと別れると、僕はK君に聞いた。
「あの二人ってカップルだったのかな?一緒に旅して友達からエロに発展しないのかね」

K君が応える。
「なんか、それについては触れられませんでしたね。でも旅中、恋仲ではなくても男女の友情で旅することはよくありますよ。」

とのことだ。それにしても羨ましい、男女の2人旅!

 世界一標高の高い街エル・アルトにいる僕でも考えることは常に標高数十センチ下の具合だった。
 息子に様子を聞くとカラッカラで乾燥注意報が出ており、火の用心であった。

**

 夕方5時ごろにオバサンがレスラーとして登場する、エル・アルト名物、通称"オバプロ"の会場に入った。

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すると多くの日本人が観客としているではないか。どうやらこのオバプロは旅人の間でエンタメとして有名らしく、開催日には多く日本人が集まるとのことだった。

そして、ここで状況が一変したのだ。

次々と日本人が、こちらにやって来て、何の用かと思ったら、

「あ!もしかしてK君じゃないですか!!!??」

と声が掛かるのだ。

「ええ!あのK君?ずっとブログ読んでました!」

「え、めっちゃ嬉しいいんだけど!!写真お願いします」


マジで!!ここ、誰もしらないボリビアの街のボロいプロレス会場!!
そこを旅していた日本人の殆どがK君のことを知っていたのだ!

 先日のNOTEに書いたが、旅人に脅威の人気を誇った旅ブロガーK君。好きな女の子に「世界で一番君が好き!」と言うがために、約50万円だけ持って世界一周した強者なのだ。
 途中バックパックをまるごと無くし、強盗にも遭遇し、日本に帰国したときは、まさかの手ぶらだった(笑)誰もが彼のような旅をしたいと思っただろうし、誰もが彼の純愛に涙した。*ちなみに好きな人への告白結果は公開されていない。
 今は削除されていて無くなってしまったが1回でも読んだことがある人ならば彼の旅ブログを超えることは不可能と分かる。

そんな彼の前に、ボリビアを旅していた日本人が列をなして(いや、これ本当に!!)、握手と写真撮影会が開催されたのだ。

僕は心から願った。

彼のようになりたい!!!


旅先で見ず知らずの人に、

「あ、カツオさんですか?いつも読んでます!写真撮っていいですか?」

そう言われたい!

 バレンタインデーはいつだってお母さんからだけだったボク。告白して振られたことはあれど、されたことはない。 学生の頃のバイト先に、誰にでも告白する女子がいた。そこにいた男性バイトの殆どがこの子から一度は告白されていた。評判が悪い子で周りから雑な扱いをされていたが「女子に告白された事がある」という勲章が欲しいがために、僕は、その子に優しく接していた。


結果、告白されなかったけど!


そんな僕。


 目の前にいる日本では名もなき旅人が、写真を撮られ、握手をお願いされている。めっちゃ憧れた。狭い業界で圧倒的に有名。僕が目指すべき場所はこれなのではないか?
 そんな僕の「夢物語」が目の前でファインダー越しに繰り広げられていたのだ。



そう、僕はカメラの撮影係になっていたーーー。


おーい!僕も混ぜておくれよ。

ここで「ハイ、チーズ!」とシャッターを押しながら僕は思い出した。

 僕を旅に流したアニキが出発前に口が酸っぱくなるほど言うのだ「ブログを書いて発信しろ!お前の全てを曝け出せ!絶対におもろくなるはずだから!そしてブログランキングで1位を目指せ!!」と。

「いやいや、それなんか意味あるんですか?仮に一位取っても金にもならないし。しかも旅するのにブログ書く時間が勿体無くないですかね?」と僕自身何度も反発し、実際にブログを書いてても数多くの読者から

「旅してるのに毎日ブログ書いてる時間もったいなwwwww バツ2の乞食おっさんがブログで承認欲求満たしてるのかな?オツwwww」のようなコメントがわんさか入った。

そんな汚い言葉を、跡形もなく綺麗さっぱり消すのが売り切れ必至、大人気のアニキクリーナー。

「かつお。どんな事でもいいけど、これまでの人生で1位取ったことあるか?ないだろ?なら挑戦してみろよ。お前1位のパワーを侮るなよ!?今回、頑張れば1位取れるチャンスあるんだぞ?何故ならお前は好きで旅してるわけじゃない時点で、他の旅ブロガーと視点が違うんだよ。何千と登録者がいる世界一周ブロガーの中で1位取るのが目的で、旅はそのための素材だと思え!」

 当時は1000人以上の世界一周ブロガーがいた。たしかに、ここで1位をとるのは簡単ではない。
 そしてまさに、今の瞬間、前年度世界一周ブログで1位をとったK君の人気を僕は目の当たりにしていた。

なるほど、、、これがトップブロガーの力。。僕も1位になりたい!!それも圧倒的な1位だ。読者がぐぅの音も出ないような文章、読んでるだけでギンギンになるような描写、お経を上げている時でも爆笑しちゃうような面白いことを書けるようになるまで成長したい!

生きる過程の目的なんて何でもいい。当時の僕は、書きたかったんだ。キーボードの文字が消えるくらいまでタイプし続けたかった。

僕の脳に流れる楽譜をブログに落としこんで、名曲をつくりたかった。

 この時はじめてお金という概念から離れ、1円にもならない無駄と思われること(ブログで旅を綴ること)に集中し、全てを注ぎ込もうと決心した時だった。アニキに言われたからではなく、僕自身の意志で旅ブログランキングで1位を目指すのだ!

***

ゴングがなるとオバちゃんレスラーが、男レスラーにボコボコにされる。
いくら真似事だろうとは言え日本人の感覚から観ると、正直、気分は良くなかったが、感覚的には吉本新喜劇的なバラエティプロレスだ。

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最後はオバさんレスラーが観客にファンタをぶちまけるわ、観客はリングにゴミを投げ入れるわで何でも有り状態。1時間ちょいの興行でお腹いっぱいになった。

帰りのバス。標高4000mから見るラパスの街並。

昼間は原色をふんだんに使った衣装や壁画のせいで、ジェリービーンズが一杯詰まった瓶のように色鮮やかなのに、夜はオレンジのライト一色で暖かくシンプルな夜景となる。

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うーん。ピントがブレブレである笑。ってか夜景ってどうやって撮影するの?(笑)

ということで最近友達がラパスの夜景を撮っていたので、そちらを共有しておく。

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photo by yasu_lij
ちなみに昼間はこんな感じ。

画像7


夜、ホテルに戻るとアニキから国際電話がかかってきた。いったい何の用だろうか。。。

今日はここまで。

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本日も最後までお読み頂きありがとうございます!noteは週1.2回ほど更新し、【旅の準備→世界一周→起業→会社売却】までを気長にまとめようと思います。面白いと思った方はnoteまたはTwitterをフォローいただければ幸いです。

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ホームレスになったヒモ男、世界一周したら小金持ちになった話。

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