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モコンさんの庭~「セルアニメのオトモ」シリーズ・その5【彩色編】
セルアニメでの彩色は手間のかかる仕事です。セルに使う絵の具の色数はある程度抑えられていますが、1色でも足りないと仕上げることができません。
実際にアップ前日の深夜、外注さんに出した彩色カットで1色足りないことが発覚し、翌日アップのために、深夜に制作が車でその1色を届けたこともありました。
彩色用の絵の具はすぐには乾きません。ドライヤーなどで無理やり乾かすとセルが歪んだり、彩色した表面しか乾いていない場合は、塗った色が飛び出てくることもあります。
彩色絵の具は乾くまでの時間を考慮して仕上がり時間を想定します。この乾くまでの時間は、季節や室温によっても変わります。
また、仕上げは原画や動画の遅れにより、アップまでの期間が短くなってしまいます。彩色作業では、動画の絵柄によって手間が大きく変わります。影がついていると、それだけ色数が多くなり、手間も増します。
セルアニメの仕上げ、つまり彩色パートはほとんどが女性でしたが、徹夜でアップに間に合わせるために頑張っていました。その大変さを思うと、仕上げから上がってきたカットを撮影に出すとき、改めてセルアニメの制作工程ではどの仕事も大事だと感じたものです。
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