もとの姿
木曜日はスーパームーンでした。
と言うと何となく詳しそうに聞こえますが
当日のニュースで知った程度です。
そもそも、スーパームーンなんて少し前までは聞いたこともない言葉でした。
それが、ブルームーン、ブラッドムーン•••
いつの頃からかよく聞くようになりました。
普段、夜空を眺めるなんていうことは
ほぼないんですが、
「スーパームーン」っていわれただけで
つい見たくなってしまうのが人情です。
夜になって、
早速、ベランダに出てみましたが•••
雲に覆われていて、月は見えません。
しばらくしてまたベランダへ•••
やっぱり見えません。
それでも諦めずにまたベランダへ•••
見えないどころか小雨まで降ってきました。
これは•••
諦めろっていう意味だと、妙に納得しました。
しばらくして、別の所に住んでいる親友から
スーパームーンの写真が送られてきました。
スーパームーンだからなのか、
見たいのに見れなかったからなのか、
もらった写真の中の月はすごくキレイでした。
リアルタイムで、違う場所から見た月、
それを写真で見ながら、
月そのものが曇っているんじゃない
そんなことを実感しました。
晴れてよし
曇りてもよし
富士の山
もとの姿は
変わらざるなり
山岡鉄舟居士の歌です。
改めて、ベランダに出て、
この雲の先にはキレイな月がある
そう思うと、なんとなく安心感があります。
そして、自分たちにも、
普段感じている自分ではない、
「もとの姿」
と呼べる自分がいるような気がします。
日々刻々、いろいろな出来事に反応して、
喜んだり、悲しんだり、怒ったり•••
そういう感情の先に、常に変わらない、
「もとの自分」
がいるような気がするんです。
「もとの自分」がいればこそ、
泣いている自分もよし
笑っている自分もよし
怒ったり、落ち込んだりしている自分もよし
大好きな自分もよし
大嫌いな自分もまたよし
全部よし
そんなふうに思えるはずです。
たとえ今がどんな自分であっても、
「もとの自分」
はいつも変わらずにキレイなんですから。
宗慧